ぼくの初めての外国暮らしは、1990年の9月から1年間の約束で米国ワシントン州のシアトルにあるコミュニティーカレッジに助手として赴いた時。そして、助手の仕事を終えて広いアメリカを1周することにした。それが最初の一人旅だった。もちろん贅沢はできないので、グレーハウンドという全米を網羅しているバスを使っての旅だ。
このグレーハウンドというやつは便利には違いないのだが、困ったこともあった。それは殺人的とも思える冷房の強さ。窓の下から強風が吹き出して、バスの中を猛烈に冷やすのだ。それでも半袖や袖なしの服を着て平然としているアメリカ人の乗客もいたので、彼らにとっては当たり前の温度だったのかもしれない。
元々冷房が好きではないぼくは、座席に着くとすぐにセーターやジャケットを冷房の噴出し口に詰めて、自己防衛に努めることにした。バス旅行の常として(つまり宿代を節約するために)夜の移動が多くなる。そうなるとぼくは、厚手の服を着込み、首には防風のタオルを巻き、冬山の遭難者のような気持ちで一夜が無事に過ぎるように願ったものだった。
あれはワシントンDCからシカゴへ夜行で移動した時。朝バスの中で目覚めると喉が痛い。風邪をひいたのだ。旅の疲れが溜まっていたせいもあるのだろうが、主たる原因はあの冷房に違いない。体調をこわすことは旅をする者にとって最も不都合なこと。かなり不愉快な気持ちでぼくはシカゴのグレーハウンド駅に降り立った。
それまでは、1泊10ドル前後で泊まれるユースホステルを宿にしていたが、多くの場合相部屋でゆっくり休むことはできない。体調をくずしている時は、できれば避けたい選択だった。そこで、ユースホステルよりも少し上等のYMCAに泊まろうと考えた。公衆電話でYMCAに問い合わせると、部屋はあるという。住所を聞いて電話を切った。
しかし、喉の痛みはさらにひどくなり、体は熱っぽくほてり、体調は悪くなるばかり。見ず知らずの土地でバスを乗り継ぎながらYMCAを探すのは難儀なことだ、と弱気になっていると、ぼくの肩越しに優しげに「タクシー?」と呼びかける者があるではないか。これはしかたがない、少し贅沢をしてでも早く横になりたいという気持ちになり、YMCAまで行きたいとの旨を伝えると、その男は「10ドル」と言う。
今から考えると乗る前から値段を告げるタクシーなどおかしいのだが、疲労と風邪で思考は麻痺状態だった。おまけにそれまでアメリカで一年暮らしていても、恥ずかしながらタクシーなどに乗ったことはなく、これが普通のタクシーの乗り方ではないことに気づかなかったのだ。
その運転手≠ノ導かれてバスの駅を出てタクシー≠ノ乗り込む。シートに身を沈めやれやれと思ったのも束の間、運転手の横にあるはずのメーターがない。「なんでメーターがないんだ?」と問いかけるぼくに、運転手は「だからさっき10ドルと言っただろう」とぶっきらぼうに答える。いわゆる「白タク」に乗ってしまったのだ。
「さっき言ったのは、だいたいの目安だろう?メーターがなければ料金は払わないぞ!」と喉の痛みも忘れてぼくは叫んだが、その声は無視され、車は明け方のシカゴの街をスピードを上げて走っていく。運転手に向かいぼくは「止めろ!止めろ!」と繰り返す。このままではどこに連れて行かれるかわからない。10ドルで済めばいいが、法外な料金を要求されるかもしれない。
信号で徐行したその時、ぼくは後部座席のドアをすばやく開け、まず鞄を道路に投げ、続いてまだ完全に停止していない車から飛び降りた。運転手は何かを叫んでいたが、ぼくは鞄を急いで背負い車の進行方向とは逆に走り出した。その様子はまさにアクション映画の1シーンのようであった(と思う)。しばらく走って、車が見えなくなったところで近くのコーヒースタンドへ入り、YMCAの場所を聞けばすぐ近くだと言う。
今度は本当のタクシーを拾って、YMCAまでたどり着いた。料金は3ドルにも満たなかった。かなり危ない経験であったが、怪我もせず金も失わず幸運だった。あまり愉快な思い出ではないが、後になって友人たちに武勇伝のごとくこの「シカゴタクシー事件」を語り(時にはジェスチャーを入れて)、すこし得意になっているぼくである。
インドネシア ナショナル大学客員教授(博士)
加藤 久典
昨年も多彩なステージが繰り広げられた
全国の刑務所から集められた作業製品の即売、少年院での教育の現状の紹介などを通じて、矯正行政に対する理解を深めてもらうことを目的にする「第18回関西矯正展」が開催される。今回刑務所内の見学も実施される。(要整理券)
日時 11月12日(土)、13日(日)10時〜16時(13日は15時まで)
場所 大阪刑務所敷地内 堺市田出井町6-1(JR阪和線堺市駅・徒歩5分)
内容
・刑務所作業製品の展示即売(木工家具、漆器、陶器、紳士・婦人靴、枕、洗剤、味噌、しょうゆなど)
・七宝焼き色付け体験(後日郵送)・矯正活動の紹介
・性格判断テスト、運転適正検査
・御堂筋パレードにも出演、堺で活動するよさこい踊りチーム・KIRARIをはじめ、バンド演奏、ダンスパフォーマンス、マジックショーなど多彩なステージ
・マイクロバスによる所内見学(無料整理券は東堀南側付近のテントで発行)
主催 大阪矯正管区 大阪刑務所
お問い合わせ 大阪刑務所作業部門
TEL 072-238-8269
日本画 洋画 水彩 版画きり絵 彫刻
10月5日〜10日 9時30分〜16時30分
大阪市立美術館(天王寺公園内)
主催 大阪府美術家協会
大阪労災病院でボランティア活動をしていただける方を募集しています。
現在、活動されているのは「のぎく」という創立35年の歴史あるボランティアグループです。ベテランから新人の方まで61名の方々が活動されています。ぜひ、一緒に活動してみませんか。お待ちしています。
ボランティアグループ「のぎく」
代表 堀江 節子
活動内容
入院案内、おしぼり作成など
活動時間
9時〜14時(ご希望を伺います)
お問い合わせ
大阪労災病院 ボランティア室
TEL 072−252−3561
内線 3915
秋分の日、ホテルサンルート堺で「第88回無縁物故者慰霊祭」がしめやかにいとなまれた。=写真=
この慰霊祭は、加藤均・叶V生社代表取締役社長が祭主のもと毎年春秋の彼岸の中日に行われており、今回で88回をかぞえ、祀られた御霊は330柱にのぼっている。
当日は、八田壮老人ホーム、福生会老人ホームの方々をはじめ、行政関係者、一般市民など300人が焼香し、物故者の霊を慰めた。
10月25日(毎月25日・天神さんの日)10時〜16時
衣料、靴、特産品、新鮮野菜、骨董品などガレージセールが出店。赤字覚悟の目玉商品あり。同時に出店者も募集している。出店無料。お問い合わせは堺商業協同組合(072−250−1100)まで。
日時 10月9日(日)
堺魚市場(栄橋町2丁)でマグロの解体即売、新鮮海鮮の大売り出しなど。大小路界隈「夢」倶楽部も出店。
対象 4歳〜12歳
費用 入会金 5000円 月 謝 5000円
1学期分の教材費
Aコース6000円
(末就学児からスタート)
Bコース7000円
(小学校低学年スタート)
Cコース4400円
(小学校高学年スタート)
場所 堺市浜寺諏訪森町西3丁261
お問い合わせ
TEL072-264-2223
浜村 淳の軽妙な語り口にのせて昔懐かしいジャズ、デキシー、ハワイアン、タンゴ、ウェスタンをご堪能ください。
出演グループ
フリーウェイ・スイング・オーケストラ、杉村壽治とアンサンブル・アルマ、ハンク中村とサニー・サイダース、屋敷・アロハ・ハワイアンズ他
日 時 10月23日(日)
開場12時、開演13時
場 所 大阪城音楽堂 (大阪城公園野外ステージ)
※小雨決行
入場料 1000円
ハガキで応募いただいた先着20名の方に無料招待券を郵送させていただきます。
応募方法
ハガキに「音楽祭招待券希望」と記入し、住所・氏名を明記の上、応募して下さい。
応募先
〒590-0078
堺市南瓦町3番1号
堺市役所5階
在堺記者クラブ内 南海通信社
企業において不況が長期化し、経営維持に苦しむ傾向が一段と増えている昨今、役員においては経営責任を問われる事例も増加しており、まさに役員受難の時代となっている。が、長年会社に尽してきたその見返りとして退職金を望むのは誰しもが望む最低の要求であろう。
そこでこの退職金であるが、実際に役員を退職せずに会社に残留するケースで、例えば常勤役員が非常勤役員になった場合や取締役が監査役になった場合や更に分掌変更後の報酬が減少(おおむね50%以上)した場合に、それらの人達に対して「慰労金」などとして支払れることを見かけるが、このような場合、支給された役員退職給与として分不相応な高額な部分は別にして損金として認められる場合がある。尚、この場合において代表権又は実質的に主要な地位を占めている者は除かれるので要注意を。
税理士 大西 正芳