あれは、 ぼくがマニラに住み始めてまだ日が浅い頃。 Kは早速ぼくを訪ねて来た。 いつものように日本の新聞や雑誌を土産に持ってきてくれる。
「高級な菓子などよりも、 こういうものの方がうれしいだろう?」 とはKの言葉。 ぼくは、 日本語の活字に飢えていることもあり、 頷く。 2人の故郷である鎌倉の銘菓 「鳩サブレー」 を久しぶりに食べたい気がしないでもないが、 そんなことは言わない。 わざわざ外国まで訪ねてくれた友の気分を害してはならない、 と思うからだ。 次の日、 ぼくもマニラに来たばかりであまり街の様子はわからないが、 それでも中華街やスペイン植民地時代の旧市街などを一緒に見て回った。 そして、 何を言うかと思えば、 「やっぱり、 スペインの街並みのほうが、 ホッとするな〜中華街よりも!」 そして付け加えた、 「ほら、 写真を撮ってもスペイン風の街並みにオレはマッチするだろう?」 冗談のように聞こえるが、 半分以上は本気で言っているのだ。 何とも愛すべき人柄のK! ガイドブックを見ながらKは、 スペイン風旧市街からマラカニアン宮殿 (大統領宮殿) に行きたい、 と言う。 1986年のマルコス政権の崩壊につながったあの市民革命 「ピープルズパワー」 の舞台となった場所だ。 そこに通りかかった観光客相手の一台の馬車。 珍しいもの好きのKが見逃すわけがない。 これに乗れば絵に描いたような観光客。 ぼくはあまり気乗りしなかったが、 横ではしゃぐKのことを思いやり、 しぶしぶ馬車に乗り込む。 王子様のように座席に納まったKは、 一段と高い場所からマニラの街の景色をカメラに収めてご機嫌だ。 しかし、 ぼくは馬車に乗るとき、 御者が言った 「フィフティー (50)」 という数字がどうも頭にひっかかっていた。 他の物価を考えれば50ペソ (約115円) というのはかなり妥当な値段だ。 しかし、 観光客相手に最初から本当の値段を言ってくるのが怪しい。 それに、 あのの御者の顔は信用できない。 何か胸騒ぎを覚えていた。 それでも馬車は順調にマラカニアン宮殿に向かっていた。 ところが、 宮殿の手前の橋を渡りきったところで、 いきなり停車した。 宮殿はまだ先のはず、 と思っていると、 「馬車はここまで」 と言う。 仕方なく馬車を降りると、 御者は 「はい、 50ドル (約6000円) !」 と言うではないか。 ぼくは、 そ〜ら来た!と思う。 50ドルと言えばマニラでは大金。 たった10分でそのような額になるはずはない。 そこからまさに大バトルが始まった。 あまりの無謀さにぼくは頭に血が上り、 御者に向かって怒鳴りまくる。 確かにお前は50ペソと言った。 それになぜ、 フィリピンで通貨がいきなり米ドルになる?何の罪もない外国人をだます気か?そのようなことを、 一気に (ジェスチャー入りで) まくし立てる。 隣のKもかなり取り乱し、 何か言っているがぼくの耳には入らない。 ただ、 彼の口から 「ポリス (警察)」 という言葉が発せられているのはわかった。 だが、 このような時、 悲しいかな警察が役に立たないことをぼくは知っているのだ。 Kの警察に通報、 という意見は無視するしかない。 御者はと見ると、 その手には、 馬を打つための鞭が握られている。 そして、 その鞭を振り上げて襲いかかろうとする仕草を見せている。 それにもぼくはひるむことなく大声で怒鳴り返す。 その時、 ぼくは自らの口から出た唾が御者の顔に飛んでいったのを見た。 御者はそれを拭いながら、 「落ち着け」 とぼくをなだめ始めた。 落ち着くも何もあるものか、 そっちが興奮させたのではないか、 と思いつつも、 こうなればもうこっちのもの。 そこで50ペソ紙幣を2枚出し、 これで2人分、 充分だろう、 と言ってさっさと歩き始めた。 Kもぼくの後について来る。 それからKとぼくは、 憤慨しつつもマラカニアン宮殿に歩いて行った。 そして、 やけに親しげな宮殿の護衛兵にことの一部始終を話し、 同情してもらい、 二人とも少し機嫌を直した。 一緒に記念写真などを撮り、 別れ際にぼくが兵隊に 「その肩にかけた機関銃があれば、 あんなことにならなかったのにな〜」 と冗談を言った。 Kはそれを聞き逃さず、 「平和主義者と威張っているお前の正体見たり」 といつまでもぼくをからかう。 そして御者に向かうぼくの必死の姿が滑稽だったと物まねまでする。 しかし、 Kよ、 あの時ぼくが御者の顔に唾を飛ばさなければ、 ぼくらは鞭打たれ、 50ドルの大枚を奪われていたかもしれないのだ。 感謝せよ、 K。 |
NPO法人 堺国際交流協会 |
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堺中央ソフトボール連盟 (辻尾修理事長) が主催する 「平成18年度理事長杯争奪トーナメント大会」 が8月6日、 20日の両日にわたり行われた。
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全国の刑務所、 少年刑務所、 拘置所の受刑者が製作した品物を一般社会に紹介し、 広く矯正行政に対する理解と協力を得るため 「第19回関西矯正展」
が開催される。 作業製品の即売をはじめ、 受刑者の改善更生を図るために刑事施設で実施している取組みをパネル展示等で紹介する。 また、 少年院の教育活動の現状及び少年鑑別所の役割等の紹介、 教育作品の展示など、 コンピューターによる性格検査の体験コーナーなども設けられる。 日時 11月11日(土)・12日(日) 10時〜16時 (12日は15時まで) 場所 大阪刑務所敷地内 堺区田出井町6│1 (JR阪和線 堺市駅徒歩5分) 内容 ・刑務所内の見学 ・矯正活動の紹介 ・刑務所作業製品の展示即売 (木工家具、 すのこ、 まな板、 漆器、 紳士・婦人靴、 陶器、 洗剤、 味噌、 醤油など) ・ボランティアによる各種 イベント お問い合わせ 大阪刑務所 作業部門 TEL 072−238−8269 |
秋の収穫体験 |
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9月23日 (秋分の日) 「第九十回無縁物故者慰霊祭」 がホテルサンルート堺でしめやかに営まれた。=写真= この慰霊祭は、 一人寂しくこの世を去られた方々の霊を慰めようと、
叶V生社代表取締役社長 加藤均氏が祭主となり、 毎年春秋の彼岸の中日に営んできたもので、 今回で九十回を数える。 |
都心部において一般的に電車、 バス等による通勤手段が普通である。 |
税理士 大西 正芳 |