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ベトナムで堺の企業が無農薬野菜を
栽培・販売

経営懇話会で語る河内進氏
経営懇話会で語る河内進氏

 関西地域で造園、土木、設計、施工、管理などを行う株式会社Kei's(本社・大阪市平野区、堺営業所・堺市中区辻之215-4)がベトナムのビンディン省において無農薬野菜の栽培を11月より開始した。
 この事業は、ビンディン省から依頼を受けた特定非営利活動法人 日越堺友好協会(加藤均理事長)が同省とKei'sを繋ぎ実現した。
 同社ではこれまでベトナムのタイビン、カンボジアのプノンペンで無農薬野菜の栽培および販売を行ってきた実績を持つ。まさに世界を股に掛けて安全な野菜の供給に精力的に取り組んでいる。
 11月下旬、日越堺友好協会が栽培を行う現地ベトナム少数民族の2名を日本に招聘、Kei'sにおいて野菜栽培技術に関する研修を行っている。
 11月16日、同社社長 河内進氏は堺経営者協会(西村隆会長)が主催する経営懇話会で講演、これまでの取り組みや今後の事業計画などを解説、「世界の緑を元気いっぱいにしたい」と目標を語った。

現地の方に指導しながら、虫を防ぐためにネットでトンネルを作る(ビンディン省で)
現地の方に指導しながら、虫を防ぐためにネットでトンネルを作る(ビンディン省で)

世界遺産をめざす
 「百舌鳥・古市古墳群」をめぐる

電動自転車
「もずふるレンタサイクル」の貸出し開始

 堺市、羽曳野市、藤井寺市の3市は、大阪府とともに百舌鳥・古市古墳群の世界文化遺産登録をめざしている。このたび、両古墳群の周遊を手軽に楽しんでもらえるよう電動自転車によるレンタサイクル「もずふるレンタサイクル」の貸し出しを開始した。
 この「もずふるレンタサイクル」は、堺市にある「百舌鳥古墳群」と羽曳野市・藤井寺市に跨る「古市古墳群」を繋ぐ移動手段の充実を図る一環として3市が連携して実現したものである。貸出施設は、3市内に4箇所あり、どの貸出施設へも返却ができることから、時間を有効に活用しながら、一度により多くの古墳めぐりを楽しむことができる。
 また、これにあわせてモデルコースや近隣の松原市を含めた4市のショッピング・グルメ情報を掲載した新たなパンフレットも作成した。

【利用について】
■料金
○貸出施設と返却施設が異なる場合
1日1台につき
1000円(税込)
○貸出施設と返却施設が同じ場合
1日1台につき
500円(税込)

■問合せ
(公社)堺観光コンベンション協会
電話 072-233-5258

貸出及び返却施設

トランプ氏が指摘した同盟の意味

元海上自衛隊呉地方総監
金沢工業大学虎ノ門大学院 教授

伊 藤 俊 幸

 米国大統領選挙でトランプ氏が勝利した翌日、筆者は米国で米軍高官と意見交換する機会を得ておりました。今回はトランプ氏選出による日米同盟への影響について考えてみます。
 「日本は大量の車を米国に売りつける怪物だ。そのせいで国内自動車産業は多大な損害を受けた。しかし米国は日本を守るが、日本は米国を守らない。ならば日本は米軍駐留経費を全額支払うべきだ。」
 筆者は在米防衛駐在官当時、よく「中国人か」と聞かれました。ハワイと違い、米国本土では日本の存在感は極めて低いのです。であれば「お互いを守るのが同盟」と当然のごとく思っている米国人にとって、このセリフは納得できてしまいます。
 海自艦艇がよく入港するサンディエゴは、メキシコのティファナと国境を接しています。「メキシコとの国境に壁を作り、不法移民を追い返す。」日本では、とんでもない人種差別主義者とされたセリフでしたが、実は今でも国境線上には背の高いフェンスが築かれているのです。これを破り米国側に入ってくるのが「不法移民」です。オバマ政権以前は厳格に取り締まっていましたが、今や「法律違反者」が簡単に入国でき、追い返されなくなっているのです。そして、彼らの存在によって米国の一般人は仕事を奪われたのです。
 泡沫候補と言われたトランプ氏が、これだけの指示を集めることができたのは、数%の大金持ちとの格差、中国からの安い鉄鋼の流入などに加え、正に一般人の心の叫びの代弁者だったからです。
 二国間条約は、議会の三分の二の同意がなければ変更できません。また駐留経費に関する五年間有効な特別協定は今年四月に発効されたばかりです。国際条約は、大統領一人の力だけでは簡単に変更できないのです。ですから当面は、日米同盟に大きな変化はないでしょう。
 しかし、日本はトランプ氏により、大事なことを指摘されたと受け取るべきでしょう。「お互いを守り助け合うのが同盟」これは国際常識だということを。