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安心して産み育てられるまち

「竹山は堺市民ファーストです」

加 藤 均 恒例 新春放談
米国にトランプ大統領が「USAファースト」と発言して登場。これに対し「私はもとから堺市民ファーストです」と言う竹山修身・堺市長と、正しい国防意識と安保体制の重要さを訴え続け、ベトナムへのユニークな支援を続ける特定非営利活動法人 日越堺友好協会・堺国際交流協会の加藤均・理事長との新春対談。佐藤一段・政治経済評論家の司会で、トリ年の正月らしく、元気よく語り合った。
今年もさらなる発展を目指す堺市に
今年もさらなる発展を目指す堺市に

ベトナム国家新主席から期待激増
加藤 均 日越堺友好協会理事長の熱意

佐藤  今年は三選めざす年ですね。
竹山

 まだ私は、自分が出馬するかどうかについては、申し上げておりません。 しかし、私が取り組んできた子育てや、ものづくりなどの施策ついては、ご評価いただいているようですし、この流れは加速させていかないといけないなと思っています。 堺はとくに昔から自由・自治都市だったのだから、守って行くのは当たり前だと。市民のみなさんはそう思っておられるようですね。
加藤
 前回の選挙の後の動きをずっと見ていると、それぞれの都市で、自主性を守り抜いた堺を見習おうというのか、堺の気持ちを汲んでいこうという風潮がみられますね。
竹山
 それは市民のみなさんが作って下さった流れだと思っています。いくら私が言っても、市民の共感を得なかったらだめなんですから。 私は、かねがね堺の税金は、やはり堺の市民にしっかり使ってもらう。どこかに吸収されるようなことは、あってはならない。頂いた税金を一番効率的に、公平に使うことを、私は予算要求の査定の中でも常に考えています。
加藤  それは首長として当然のこと。大衆迎合主義がまかり通っているのは、世界的な状況で、今年の堺の選挙も、そういうのに巻き込まれないように、筋を通してやって頂きたいものです。
佐藤   話は変わりますが、いろいろと堺市に対して、応援団をつくるような動きなども活発に見かけられますね。例えば、落語家の桂文枝さんが、堺生まれだからということで……。

ベトナムに堺企業が進出続々
コーナン、サニコン、Kei’sなど

竹山   堺名誉大使になっていただいたんです。「堺を中心とした創作落語をつくって」とお願いしたら、「考えておきます」と言うお返事をいただきました。上方落語協会の会長さんですので、堺にとっては非常に大きなエネルギーを持った方を名誉大使に迎えられたと思っています。 新しい市民会館である堺市民芸術文化ホールの建設も始まりました。いずれはオーケストラ、オペラ、バレエから落語、文楽、浄瑠璃、謡(うたい)、歌舞伎や能など、ひろく上方芸能も上演できる場所にしてかないといけないですね。
加藤  近ごろ、単に建物を建てることは、市民の批判を招きやすい時代ですよ。
竹山 ですから、芸術文化ホールも、コンセプトを煮詰めておかないといけませんね。
 幸い同ホールには、堺生まれで泉陽高校出身、佐野光徳さんという敏腕なプロデューサーをお招きすることができました。
(次頁へ続く)


社説

新しい考え方

元海上自衛隊呉地方総監
金沢工業大学虎ノ門大学院 教授

伊 藤 俊 幸

 新年おめでとうございます。よき新春をお迎えのこととお喜び申し上げます。
 さて、昨年の国際情勢を顧みますと、「金」というよりも、「驚」の年だったといえましょう。
 北朝鮮の度重なる核実験・ミサイル発射、中国の力による現状変更の活発化、英国のEU離脱、ドゥテルテ氏やトランプ氏の大統領選出等々、世間の予測を超える事態が次々と起きました。
 しかし、これらの出来事を「驚」くだけではなく、「新」しい思考や対処が必要な時代の到来と捉えるべきなのかもしれません。
 先月十六日、安倍総理とプーチン大統領は、平和条約締結に向け「新しいアプローチ」での交渉を開始すると発表しました。ポイントは、「北方四島での共同経済活動の実施に向けた協議の開始」「元島民の北方四島への自由往来の拡大」「八項目の経済協力計画の着実な実施」の三点です。
 この発表を受けて「またロシアに騙される」との意見が聞かれますが、そういう方の多くは「八項目の経済協力計画」と「北方領土での共同経済活動」を同じことと誤解されているのでしょう。
 「八項目の経済協力計画」とは、@健康寿命の伸長、A快適清潔な都市作り、B中小企業交流の拡大、Cエネルギー、D産業の多様化・生産性向上、E極東の産業振興、F先端技術協力、G人的交流の拡大の八項目で、日露の信頼醸成に寄与するために大陸ロシアで民間企業が行う枠組みです。
 これに対し、本来は国境画定が必要な平和条約締結ですが、今回新しい発想として、北方領土を「日露両国民が共存する島」と位置づけ、そのために必要な活動を「共同経済活動」と呼称したのです。
 冷徹に安全保障面から観るなら、ロシアにとってオホーツク海は、今も米国との「相互確証破壊」を確保するための聖域なのです。ここを守る島、択捉・国後を日本に返すことは残念ながら極めて困難でしょう。
 この複雑で困難な状況下、元島民の悲願を叶えるため、安倍政権は「『新』たなアプローチ」を考え出したのです。