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2022年に利休生誕500年を迎えるぞ!!

お茶の三千家らと
記念事業を考えたい

堺親善アーティストを新設
若い人に音楽を楽しめるまちへ

竹山修身 堺市長
竹山修身 堺市長
加藤
 佐野さんは、世界的指揮者の佐渡裕さんをはじめ著名なアーティストのマネージメントを行い、海外の音楽家や交響楽団などとも太いパイプをお持ちの方です。また、兵庫芸文やびわ湖ホールの立ち上げにも関わった経歴もお持ちですので、すでに指定管理を担う堺市文化振興財団の職員の指導もしてくれています。
それから佐藤さん、KANA―BOON(カナブーン)って、ご存じですか?
佐藤 堺の魅力を若者へ発信―という新聞記事で、読んだことがあるていどで、聴いたことはありません。
佐藤
 やはり堺の人?

竹山  そう、北野田(南海高野線)に住んでいた
佐藤
 ヘェー、私の自宅のあるところや。これまでは、織田作之助が小説「夫婦善哉(めおとぜんざい)」を書いてた家が、残ってるだけの昔からの住宅地。そんな有名なミュージシャンを生んだとは、知らなんだ。
竹山  かねてから私は、若い人を対象に、堺が音楽やエンターテインメントを楽しめるまちにしたいと思っています。
 市役所前の市民交流広場を、その発信地にしてゆく。今は1月15日まで、「堺桜彩イルミネーション2016」を開催しています。堺桜彩イルミネーションのメインとなる「桜彩ツリー」には、堺の小学生がつくった約9,000枚の桜の花びらに堺市出身のアーティストである村松亮太郎さんによる最先端のマッピング技術を駆使した映像を投影し、今まで見たことがない冬の光る桜を体感することができます。まさに寒中桜。そこで花見をして熱燗でも飲んでみたいですね。
佐藤  いいですね。酒と言えば、堺が酒づくりで見直されているとか。
 

3人目からのお子さんは
所得制限なく保育料を無償化

「堺親善アーティスト」KANA−BOON就任イベント
「堺親善アーティスト」KANA−BOON就任イベント
加藤
 泉酒造さんが、「千利休」という銘酒を出してくれました。堺は酒処で、95も蔵があった。戦後ゼロになりました。
 戦後、工業都市化が進み、地下水汲み上げなどもひびいたようですね。
竹山
 千利休と言えば、ビッグイヤーがもうすぐやってきます。2022年に利休生誕500年を迎えるんです。
 先日、これを先取りする意味で大河ドラマをお願いしようとNHKの会長を訪ねました。私どもと、商工会議所会頭、観光ボランティア協会理事長や議会の議長も。
 もちろん、この記念すべき年に向けて、お茶の三千家の皆さんとも連携したいと思っています。また、独自にも堺の地からどう発信してゆくべきかと言うことにも、取り組んでまいります。
佐藤  今は観光ブームですから、お茶を主軸にして国際的にも堺にたくさんの人が集まるといいですね。
竹山  現在、利晶の杜にもたくさんの外国の方たちが来ていただいています。中国から伝わったお茶が日本で茶道として大成し、それに中国の人たちが触れて帰っていかれるのは、非常に意義深いことですね。

佐藤  茶道も柔道も剣道も日本人は「道」にしてしまいますからね。「道」というのは観念や精神のことです。けれど、それが日本人の良さですよ。
竹山  そういう意味では、百舌鳥・古市古墳群も、1600年我々が護ってきた遺産を世界の人たちに見てもらうにしても、単に観光ではなくて、歴史・文化の精神をわかってもらうことを大切にしたいですね。

佐藤  世界遺産への指定に、重ねて努力しているが、ユネスコの担当者にとっては、アジアの一端の日本の大阪の歴史など関心が薄い。
 もしエジプトのクフ王と、日本の仁徳天皇との両古墳に世界的な友好関係をもたせることができたら、仁徳天皇への認識が深まり、百舌鳥・古市の世界遺産認定も早まるのではないですか。
 両国の地域についても歩み寄りをつくれば、クフ王から仁徳天皇への握手が進み、世界遺産への可能性が高まると思います。

竹山  先日、中国の連雲港市を訪ねる機会がありました。そのとき、連雲港市の項市長に百舌鳥・古市古墳群をアピールしてきたんです。
 中国の文化が日本に来て、日本でアレンジして古墳文化にもなったのだという歴史・文化を理解してくれました。
 さきの10月にも、登録の審査をするイコモスの委員を務めておられる専門家を会議にお招きしてお話をうかがいました。そのあたりも十分に参考にさせて頂いて、3月末には新たな推薦書原案を出します。
加藤  そうですね、堺は古代だけでなく、近代に入っても素晴らしい歴史を持っています。近年発展の著しい堺の現代史を「21世紀の堺市史」としてぜひ制作してもらいたいと思います。

 

昨年の待機児は16人
一時は450人もあったのに

留学生と座禅を組む竹山市長
留学生と座禅を組む竹山市長
佐藤  さて、ここに来て、竹山市政の今年の重点施策は?
竹山  やはり一番は安全安心。東日本大震災があり、熊本や鳥取でも大きな地震がありました。現在、地方公共団体にとって災害対策はすべての施策に優先します。
 学校・道路・橋梁・上下水道管などの耐震化を進めることはもちろん、各家庭での自助や地域での共助といった意識の醸成も非常に大切になります。
 こういったことは一朝一夕にはできません。日頃から、こころがけや訓練で模擬体験する。そういうことが重要になりますね。
「第43回堺まつり」に出演した海上自衛隊舞鶴音楽隊のマーチングバンド
「第43回堺まつり」に出演した海上自衛隊舞鶴音楽隊のマーチングバンド
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