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2022年に利休生誕500年を迎えるぞ!!

お茶の三千家らと
記念事業を考えたい

加藤均 日越堺友好協会理事長
加藤均 日越堺友好協会理事長
佐藤
 子育て、安心して産んで、安心して育てられる堺のまちづくりも大切ですね。

竹山  はい。昨年、政治を動かした発言は「保育園落ちた、日本死ね」でしたね。堺市の昨年4月の待機児童数は16人でした。私が市長就任以後、多い時で450人ぐらいあったんですが、認定こども園や小規模保育事業施設の新設などいろいろな施策を実施してきました。今年4月はゼロにしたいと思っています。
 少子化への歯止めという意味からも、子どもを生み育てやすい環境づくりが一層大事です。堺市は、0歳から2歳までの3人目以降の子どもさんが、認定こども園や保育所などを利用する場合、所得制限や上の兄弟の年齢制限を設けずに、保育料を無償化したんです。


加藤  さて、今年の私の課題は、引き続きベトナムとの交流・支援と、日本の防衛についての国民意識の向上の二つです。
 まずベトナムは、昨年10月4日、チャン・ダイ・クアン国家主席と、初めて特別会談を大統領府で行いました。クアン国家主席から、ビンディン省でのマグロ水産業発展事業協力を高く評価され、新たに2省でも、同事業の協力を求められました。
 また、昨年7月、「ビンディン省発展諮問委員会」の委員にも任命されました。
佐藤  マグロ水産業の成功が、えらい評判になって、日本の技術と、経営への熱意に頼りたいという地元業者の声が、広がっているということですね。

堺のものづくり全国6位
技術革新にチャレンジ

昨年10月、ベトナム社会主義共和国 チャン・ダイ・クアン国家主席(右)と特別会談を行った加藤均理事長(左)
昨年10月、ベトナム社会主義共和国 チャン・ダイ・クアン国家主席(右)と特別会談を行った加藤均理事長(左)
加藤

 昨年の夏にホーチミン市の近郊に進出したホームセンターの「コーナン商事」が「イオンモールビンタン」の中核テナントに入ったら、ベトナムでは珍しいDIY商品が人気となっています。


佐藤  災害時の飲料水確保のため、RO膜(逆浸透膜)による浄水技術をもつ堺の企業「サニコン」も、ベトナムでホテルの浄水設備づくりに協力。現地の水を、飲めるようなキレイな水にするために進められているようですね。
 
佐藤一段 政治経済評論家
佐藤一段 政治経済評論家
加藤 加藤 堺をはじめ広く関西で、造園・土木施工などで知られる株式会社Kei's(ケイズ)が、ビンディン省で無農薬野菜の栽培を始めています。
 これも日越堺友好協会が双方の橋渡しを進め実現したものです。
 さきほども現地ベトナムの少数民族2名を日本へ招き、ケイズ社において栽培技術の研修を行い、農業を通して希望を持っていただける手助けをしているのは、見逃せない日本の善行かも知れません。
 それにケイズ社は、ハチミツの生産にともなう養蜂技術も持ち、ベトナムにも手を広げるとのこと。

佐藤  わが国では、野原がだんだん少なくなり、養蜂の経営がむずかしくなってきている折りだけに、新分野の新興国との協力とみることができるのではないか。

加藤  そういえば、社長が堺出身の「丸紅木材」という企業により、健康にも良いといわれている日本のヒノキをベトナムで加工し、机、椅子、子どもの玩具などを作り世界に輸出し、日本和製品の良さを広めるビジネスも始まりました。

佐藤  日本の伝統的な良さ、値打ちを知ってもらい、新しい需要層を海外で開拓してゆく時代に入ったともいえるのでは……。
加藤  ビンディン省の郊外に、広大な土地を持つ寺院のご住職が、日越友好のシンボルの一つとして、10万uの場所に、5万uにベトナムの庭園、5万uに日本庭園を作るお手伝いもしています。そこに日本から「緋鯉」(ひごい)を入れて、たくさんの人たちの目を愉しませたいと思います。
佐藤  結びに防衛の話をうかがいましょう。
 さきほどの米大統領選挙中で、トランプ氏は、「日本駐留米軍費について、もっと負担をふやせ」といったことを発言しています。
加藤  このトランプ発言について、私の知人の元海上自衛隊呉地方総監の伊藤俊幸さんから、至言を頂きました。
 それは、「二国間条約は議会の三分の二の同意がなければ変更できません。駐留経費に関する五年間有効な特別協定は、昨年四月に発効されたばかりで、国際条約は、大統領一人の力だけで変更できない。だから当面は日米同盟に大きな変化はないでしょう」ということを教えてもらっただけでなく、「しかし日本は、トランプ氏から大事なことを指摘されたと受けとるべきです。それはお互いを守り、助け合うのが同盟で、これが国際常識だということなんです。」と、キーポイントを指示してもらいました。
佐藤  たしかに、いま我が国は、北朝鮮のミサイルや、中国の南西太平洋の進出による威圧によって、防衛上の危機に迫られていますネ。
 やはり日米同盟の存在があるからこそ、安心しておれるのです。
加藤  私は、日頃からつねに、日本人の防衛安保意識の向上について、それなりの心配りをしてまいりました。
 この2月5日には泉佐野市で、同市主催、自衛隊音楽隊と集う友の会・大阪府自衛隊家族会の後援で、自衛隊の音楽会を開きます。
 例年、堺まつりなどにも、出演してもらっており、沢山の観衆に、音楽を通じて、自衛隊への関心を深めていただく成果をあげています。
竹山  地道な努力をして頂き、ご苦労さまです。
 ひとつ言い残したことで、堺市のものづくりが全国6位になった。製造物出荷額が3兆8000億円、3000億円増えた。臨海の工場がいろいろ設備改造して、新しい産業へ改革、生まれ変わりつつあるようです。
 伝統を磨く堺、そして技術革新にチャレンジする堺に、皆さん、希望をもって下さい。
昨年8月、ベトナムの人々により長年にわたり守られている具足家の墓を参る加藤均理事長(右)と佐藤一段氏(左)
昨年8月、ベトナムの人々により長年にわたり守られている具足家の墓を参る加藤均理事長(右)と佐藤一段氏(左)