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堺の企業のベトナム進出を支援
 サン前国家主席と特別会談

特別会談を行ったサン前国家主席(右)と加藤均理事長
特別会談を行ったサン前国家主席(右)と加藤均理事長

 ベトナム社会主義共和国との交流を進める特定非営利活動法人 日越堺友好協会の加藤均理事長は2月12日から19日、ベトナムを訪問、チュオン・タン・サン前国家主席と特別会談を行った。
 18日、日本国総領事館 河上淳一総領事も同席した会談では、加藤均理事長がビンディン省における水産業・マグロ漁業発展に対する協力事業についてマグロの捕獲・処理・保存法などの技術の向上によりベトナム国内での値段が上がっていることなどを報告、サン前国家主席より同省に加え新たにフーホン省、カンファ省でのマグロ漁業発展に対する協力を求められた。
 また、㈱サニコン(堺市北区)が現地企業と進めている水質改善事業について、現在のホテルでの改善に加え、学校や病院などにも設置していきたいとの目標を語った。

龍谷大学農学部の教授がベトナムの農業を視察
龍谷大学農学部の教授がベトナムの農業を視察
 サン前国家主席は、ビンディン省の依頼を受け、㈱kei's(堺市中区)が日越堺友好協会とともに進められている無農薬野菜の栽培など農業政策について高く評価し「高品質で安全な野菜の栽培により農業を営む方々の収入が上がり、国益にもプラスになる。今後も期待しています」と話した。
 12日には丸紅木材㈱が日本産ヒノキなどを使った木材製品の製造を行う現地法人を、14日には㈱サニコンの現地法人を設立、調印式などが行われた。
 龍谷大学農学部の教授も同行、17日にクイニョン大学を加藤均理事長とともに訪問、農業における技術交流について具体的な話し合いが行われた。

ベトナム国ビンディン省で

堺地産の水処理技術を展開

株式会社サニコン
株式会社アクリート

堺の技術で水道水が飲めるシーガルホテル(ベトナム ビンディン省)
堺の技術で水道水が飲めるシーガルホテル(ベトナム ビンディン省)

 

 堺市を拠点とするサニコングループでは、この2月14日、ベトナム国ビンディン省に、「サニコンビンディンベトナム有限会社」を設立。
 地元CONSTRUCTION JOINT STOCK COMPANY47(CC47、総合建築業・ホテル業)による、自社所有ホテルでの安全な水供給の願いから、ホテルにある井戸からの水を飲料出来るレベルにまで浄化する事業検討が一つの切っ掛けでありました。
 更にはもう一つの切っ掛けは、地元環境を守りつつ、省の発展に真摯に取り組むビンディン省の方々との出会いでありました。元副知事のハー氏は、ビンディン省への訪問初期から熱心にわが社に協力し、堺地産の水処理技術をビンディン省へ導く径を開いて下さった。また省の各局、各部署の方々からも会社設立には適切な指導、助言を下さり、ベトナム国のどの省よりも早く、迅速適切な対応は、まさに地元発展に真剣に取り組む姿の賜物であり、本当に早期に会社設立を実現して下さいました。
 そして何より、これらの切っ掛けをまとめていただき、真に真心から協力いただいた加藤均総合事務所 加藤均会長には心から感謝申し上げます。
サニコングループ社是、繁栄の基礎は『信用』にあり 信用は『確実』な運営に自ずから生まれる 仕事を支配する『実践』の態度と気魄は発展の近径なり すでに作られた道を歩みよりも道なき道を行き新たな道をつけよ
ビンディン省への展開は、この社是を真に表すものであります。
 地道に確実に運営するところに、多くの方々と出会い、信用、協力に支えられ、大きな切っ掛けを頂きました。堺地産の実践の取り組みは、ビンディン省への事業展開の近径を開き、更にベトナムの豊かな環境を守りつつ、未来に展開していく地元の発展に貢献、協力していく新しい道を繋ぐものとなりました。
 5月にはCC47のシーガルホテルでは水道の水を飲用に使用することが出来ます。
 更に私たちの現地オーダーメイドの技術提供により、これからのビンディン省から発信し、ベトナム国での安全で安心な水事業の展開をもって、堺市地産の経験に基づき地元貢献の実現に望みます。
   株式会社アクリート
    技術部 加藤 剛

北朝鮮ミサイル発射の意味

元海上自衛隊呉地方総監
金沢工業大学虎ノ門大学院 教授

伊 藤 俊 幸

 先月六日、北朝鮮がミサイル四発を発射し、これを受け、ティラーソン米国務長官が日韓中の三カ国を歴訪しました。
 今回のミサイル発射は昨年九月と同じスカッドERミサイルですが、日米のミサイル防衛システムを飽和させることを意識して、同時弾着させる射法で訓練したとみられます。また発射の兆候も完全には把握できなかったようです。更に問題なのは、初めて「在日米軍基地攻撃部隊」の存在を明言し、「有事の際は、核ミサイルで在日米軍基地を攻撃する」との意図を示したことです。
 「脅威」とは「能力×意図」といわれます。どんなに危ない「能力」を持っていても、「意図」がなければ「脅威」はないのです。
 ところが今回はその意図を自ら示しました。安保理決議違反のみならず「武力で他国を威嚇する暴挙」だったのですから「新たな脅威の段階に入った」といえるのです。
 金正恩としては、米韓合同演習の中止を米国に求めるための「威嚇」だったのでしょうが、結果的には裏目に出たというべきでしょう。
 今回ティラーソン国防長官は、日中韓という主要プレーヤーに対し、「米国の非核化に向けた過去20年間の努力は失敗に終わった。」とし、軍事オプションを含む「あらゆる選択肢を取る」と伝達しました。オバマ政権の戦略的忍耐を放棄し、「非核化のためには武力行使も辞さない」と明言したのです。
 具体的には「ならずもの国家には先制攻撃可能」としたブッシュドクトリンに基づき、「テロ支援国家に再指定」し、これを可能にするのでしょう。ただし、この先制攻撃論は、あくまでも「抑止力の強化」のためであり、今すぐ米国が北朝鮮に空襲するものではないと思われます。
 日本でも自民党を中心に「今のミサイル防衛体制で大丈夫か」「敵基地攻撃能力を持たなくてよいのか」との議論が活発化してきました。いずれも多額の費用と完成までに時間がかかりますが、改めて「日本防衛」を考える良い機会と捉え、国民的議論をすべきだと思います。