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海上自衛隊 呉音楽隊
ベトナム人民海軍音楽隊と合同演奏

ダナン市で行われた呉音楽隊とベトナム人民海軍音楽隊の合同演奏
ダナン市で行われた呉音楽隊とベトナム人民海軍音楽隊の合同演奏

 3月8日、ベトナム社会主義共和国ダナン市で、海上自衛隊呉音楽隊がベトナム人民海軍音楽隊と合同演奏会を行った。
 これは幹部候補生の研修などを目的とした外洋練習航海中の海上自衛隊の練習艦「せとゆき」と練習艦「しまゆき」が3月6日から9日までのダナン市寄港に伴い開催された日越友好イベントで、自衛隊の音楽隊とベトナム人民海軍の音楽隊とが合同演奏するのは初めてのこと。「行進曲『軍艦』」、「波に乗って沖に出る」などが合同で演奏された。

挨拶を行う加藤均理事長
挨拶を行う加藤均理事長
 開催に際し、日本の防衛省とベトナム国防省との架け橋となった特定非営利活動法人 日越堺友好協会の加藤均理事長(護衛艦いせ・潜水艦救難艦ちはや後援会会長)は「今回の合同演奏は、両国にとって歴史的にも意義深く、アジア、世界の平和の象徴的な行事となった。今後も両国の発展のため交流促進に力を注ぎたい」と語った。
ダナンに寄港した練習艦「せとゆき」
ダナンに寄港した練習艦「せとゆき」

カントー越日
友好協会が来堺

トン人民委員長(左)から加藤均理事長にベトナム米で作られた肖像画が贈られた
トン人民委員長(左)から加藤均理事長にベトナム米で作られた肖像画が贈られた
 3月13日、ベトナム社会主義国のカントー市のヴォー・タイン・トン人民委員長とカントー市越日友好協会のメンバーが堺を訪れた。
 両国交流における協定を結んでいる特定非営利活動法人 日越堺友好協会との会談が堺市内で行われ、今後の具体的な交流活動について話し合われた。
 トン委員長は「加藤氏はカントー市について特別な愛情を持って接してくれています。今後も市の発展に力を貸していただきたい」と挨拶した。カントー市越日友好協会のファム・タイン・ヴァン名誉会長は「協会間で文化、教育、観光、医療、経済などあらゆる分野において協力関係を促進していくために頑張っていきたい」と加えた。

堺鯉来いまつり

トン人民委員長(左)から加藤均理事長にベトナム米で作られた肖像画が贈られた
堺駅前商店会と地元町会により取り付けられた鯉のぼりが内川・土居川で元気に泳いでいる
 内川・土居川に華麗な「鯉のぼり」を揚げ、地域の活性化を進める堺駅前商店会(坂口庸一会長)と近隣地域などが主催する「堺鯉来いまつり」が今年も開催されます。
 金魚すくいなどの昔ながらの縁日コーナーなど楽しいイベントが盛りだくさん。
 4月7日㈰11時から16時、南海本線堺駅周辺の内川・土居川河川敷(堺区)で。小雨決行。

社説

ミサイル発射かただの脅しか?

元海上自衛隊呉地方総監
金沢工業大学虎ノ門大学院 教授

伊 藤 俊 幸

 二月末に行われた米朝首脳会談は、非核化に向けた具体的方策に関する合意を得ることができず終了しました。その後三月七日、米シンクタンクは、第一回米朝首脳会談後に解体が始まっていた「東倉里ミサイル発射場」が、通常稼働状態に戻っていると分析しました。トランプ大統領も「(事実であれば)金委員長に対し、非常に失望するだろう」と発言した旨が報じられました。
 北朝鮮西側にある東倉里は一九九八年にテポドン一号を発射した舞水端里(東側)に続く第二の発射場として作られました。衛星で発射準備が確認できる燃料注入作業を、地下化する等、近代化されています。北朝鮮は、ここを「西海衛星発射場」と呼び、あくまでも人工衛星用ロケット発射場と主張しています。戦時にはタワーが最初に破壊されますからミサイル発射試験場ということでしょう。
 東倉里からは、過去三回ミサイルが発射され、一回目は二〇一二年四月、国際海事機関に正式に通知し、韓国西方沖とルソン島東方沖の二か所に落下地点の警報を出しました。しかし人工衛星と称する「光明星三号」を載せた「銀河三号」ロケットは発射二分後に空中分解し失敗しました。二回目は同年十二月、同じ手続きの後「銀河三号」を発射し「光明星三号」と称する物体を地球周回軌道に投入しました。三回目は二〇一六年二月、「光明星」称するロケットを発射しました。
 当時、一回目は、事実上の弾道ミサイルであり、「北朝鮮のロケットの開発・発射の停止を要求する安保理決議」に違反するとして、国際社会は中止を要求。しかし北朝鮮は、人工衛星と主張し「平等な宇宙の平和利用を約束する宇宙条約が安保理決議に優先する」と応じませんでした。 また二回目の発射後は、追加制裁として、安保理決議二〇八七が採択されましたが、またも人工衛星と主張。三回目も国際社会は決議違反と反対しました。
 今後、金正恩が「人工衛星」と称して新たなミサイルを東倉里から発射するのか、三度目の米朝首脳会談開催に向けたブラフなのかはわかりません。しかし緊張を高めることで交渉相手に譲歩を迫る「瀬戸際外交」は何も変わっていないというだけは言えるのです。