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加 藤 均 恒例 新春放談 |
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東京オリンピックイヤーである2020年。昨年の百舌鳥・古市古墳群のユネスコ世界遺産登録で大いに盛り上がった堺市も新しい顔でスタートする。就任後、初めての新年を迎えた永藤英機市長と、特定非営利活動法人 日越堺友好協会の加藤均理事長との新春恒例対談が行われた。司会は佐藤一段 政治経済評論家が務めた。 | ||||||||||||||||
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永藤英機 堺市長 |
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人事交流も進める |
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(次頁へ続く) |
新年おめでとうございます。昨年の漢字一文字は「令」が選ばれました。新しい元号の「令和」の時代に明るい未来を願う国民の思いが集約されているように思ったのは、筆者だけではなかったと思います。 その一方で、昨年は大規模自然災害により「避難命令」が頻繁に出された年でもあり、災害派遣活動をする自衛官の姿をよく見る年でもありました。 国防を主たる任務とする自衛隊が、余力で対処すべきだった災害派遣を「主任務の一つ」に変更したのは、阪神淡路大震災直後に策定した「〇七防衛大綱」でした。「我が国防衛」に加え、「大規模災害等各種事態への対応」と「より安定した安全保障環境の構築への貢献」が防衛力の役割として初めて規定されたのです。 現在では大規模災害などに備え、自衛隊では常時待機態勢がとられています。陸自は初動対処部隊(約三九〇〇名)、海自は艦艇(各地方総監部一隻)、空自は航空救難及び緊急輸送機(十~二十機)などが待機しており、「FAST―FORCE」と呼んでいます。FASTとは、First「発災時の初動」、Action「迅速に被害を収拾、人命救助」、Support「自治体等への支援」、Force「実施する部隊」の頭文字です。「自己完結性」が高い自衛隊は、機動的に動くことができる災害への初動対処に最適な組織なのです。 主任務となった災害派遣に対応するため、「緊急性」「公共性」「非代替性」の三つの判断基準を自衛隊では定めています。中でも「非代替性」は、派遣時よりも撤収時の大きな判断材料となっています。災害発生時は、七二時間以内の人命救助に全力を傾け「初動全力」で自衛隊は活動しますが、長い期間活動し続けると、これを生業としている民業への圧迫になるからです。 異常気象ともいうべき事態が何度も発生し、日本は災害列島になってしまっています。部隊指揮官たちはその派遣と撤収の判断に常に悩みながら、「人の役に立ちたい」との一心で懸命に活動しています。この年末年始休暇期間にも海外や海上・航空で実任務に従事し、また待機態勢をとるため部隊で過ごしている多くの自衛官がいるのです。 |