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堺の茶の湯文化でまち力アップ

区長に1億円の予算
 7区は特色あるまちづくりを

永藤英機 堺市長
永藤英機 堺市長
永藤
 おっしゃるとおりだと思います。せっかく政令市になって7つ行政区ができたのに、今、区は全て同じ課を持っているんです。企画総務課とか自治推進課とか、どこも一緒なんです。でもやっぱり区の抱える課題というのは堺区と南区では違いますし、美原区とももちろん違いますので、そこを区に応じて何とか特色を出せるように、令和2年度からやっていきたいと思っています。今、区長から、うちの区はこんなことやりたいという意見をどんどんもらっているところです。それで幾つか、まずは、モデルケースを。

加藤
 たとえば各区長に1億ずつ渡して、それを何にしろ区の「特徴」を出すということに有効に活用していただくと区民が誇れるまちになると思います。
永藤  なるほど、そうですね。そこは区と、今、本庁というのが少し距離が遠い。気持ち的な距離も遠いところがありまして、そこをきちんと連携しながら区の特色を出しながら、区長さんがリーダーシップを持ってこの区のことは自分に任せろと言っていただけるような区にしたいです。

佐藤
 堺の成長戦略についてという項目がありまして、そして大阪万博があります、万博と堺のつながりを。私は海のところから、大阪のつくった造成地というんですか、そこで万博があるわけで、堺としては海を隔てて大変つながりのあるところですから、それをうまく活用されることも必要ではないかと思うんです。
永藤  その話は実はもう吉村知事、松井市長とも話をしていまして、堺も昔は砂浜があって海水浴を皆さん楽しんでらっしゃったと。大浜も関西一のアーバンリゾートということだったんですけど、それが、高度成長時代に工業地帯ということで、その当時の堺にとっては私は必要だったんじゃないかなというふうに思うんですが、ただ今となれば、やはり海というのは本当に生命の源でもありますから活かさない手はないなと。その意味でまだまだこの堺の海というのは活かし切れてないところが多くありますので、もう一度、堺市民の方にも海から始まった堺というのを認識していただく意味でベイエリアの活用というのは大きいのかなというふうに思っています。特に2025年に大阪・関西万博がある会場から約10キロなんです。

佐藤  夢洲ですね。

永藤  そうですね、夢洲から堺の海までが約10キロ。今その万博で懸念されているのは交通渋滞なんです。関空から万博会場、大阪の内部を突っ切って何10キロも移動しますので交通渋滞が激しくなるんじゃないかと。特に大阪市内の中心部は、パークアンドライドというか、駐車してそこから公共交通で移動してもらうということをやってるんですけど、それでもやっぱり堺と大阪をつなぐところは交通渋滞が懸念される。そういう意味では海という手段は非常に大きいことですので、例えば関西国際空港と堺をつないで、堺からまた万博会場にということも今話をしていますので、これは現実的なところです。

加藤  もう始まってるんですね。
永藤  ええ、ぜひやりたいと思います。大阪市内からも万博会場からも堺に来ていただいて、堺旧港を通じて環濠エリアを散策していただいたり堺の歴史文化を知っていただくことで相互交流ができます。大阪よりももっと深い歴史文化が堺にありますから、大阪市内に万博を見に来た人も、より大阪の歴史の奥深さを堺で感じていただけるかなと思います。

佐藤  まあ振り返ってみたら堺では古代から海のほうから人が来て、そしてそれを見せるために古墳ができたというような話があるぐらいですからね。

永藤  仁徳天皇陵古墳をはじめ、百舌鳥古墳群がそうです。
佐藤  ここしばらく浜辺のあたりのことは注目されていない状況にあると思うんですがいかがでしょうか。
永藤  堺浜には今、映画館などがありますが、もう少し実は商業施設でにぎわう予定だったんです。ただ今は現実的なところで物流街、物流倉庫が多くなっていまして、私はあそこにJ―GREEN堺という日本一のサッカーのトレーニング施設もありますから、あのあたりはもう少しにぎわいの拠点にできないかなというようなことを今考えています。あそこにもクルーズ船が着いたりしていますので、堺旧港と堺浜の活用というのは堺にとっても大きな可能性があると思います。
佐藤  浜辺の話に直結しているかどうか知りませんけど、相撲場がありますね。
永藤  はい、大浜の相撲場。
佐藤  あの辺も近いんじゃないですか。
永藤  そうですね、堺旧港の隣接しているところですから、この歴史ある大浜公園を活かせないかなというふうに思っています。来年は大浜体育館がリニューアルして武道場を併設したところになりますから、武道を楽しんで親しんでいただきたい。大浜相撲場は学生相撲の発祥の地で、先日も学生相撲の大会があったり、国際相撲もそこで行われていますので、アマチュア相撲の聖地としてどんどん売り出していきたいと思います。
佐藤  もっとニュースにうまく取り上げられたらもっと大きな関心を持つ人も増えてくるんじゃないかなと思います。
永藤  そうですね。
佐藤  そのために、あの辺のところをちょっと見直していただくというか、ポイントがほしいなという思いがあります。

大阪万博
堺とのルートをつなげ

市民の期待を受けて初登庁する永藤英機市長
市民の期待を受けて初登庁する永藤英機市長
永藤
 堺のストーリーを活かしながら、歴史のストーリーを活かしながら、これからのまちづくりというのを進めていきたいと思います。
佐藤
 ということで街に戻りまして、街の中で、今年この辺を非常に光り輝くようにしたいというような、そういう御構想というのは。


「市民の安心安全を守る」防災体制を確立(災害対策本部会議)
会見で世界遺産認定書を示す永藤英機市長
永藤
 そうですね、これまでの私も堺市民として堺選出の府議会議員として感じていたことは、どうしてもスポット、点での開発が多かったのかなというふうに考えているんです。歴史がある町なのに点でしか捉えられていないので少し広がりに欠けると。ですから今、島田副市長を中心に「グランドデザイン2040」を策定している途中でして、2月に概要が公表できるかと思うんですが、それは、今までの堺の中心といえば堺東ということだったんですが、堺東だけじゃなくていろんな拠点に光を当てまして、じゃあその地域はどうなればいいのかと、どうこれからしていくかと。その間に交通網を引いたり、そういうふうな街のビジョンというのを2040なので今から20年後になりますが、堺東を連続立体交差で高架化しますので街が大きく変わる可能性があるので、そこを一つポイントとして、今、組み立てているところです。

加藤
 それからまちづくりについて、駅名、堺東駅と言いますよね。だけど実際には堺東じゃないんですよね。ですからこの駅名をもう堺市役所前駅とかに変えていただくようにするとよりわかりやすくなりますし、もう一つ駅名の変更では、仁徳陵のところ今度、世界遺産になりましたが、百舌鳥駅というんですね、百舌鳥駅と言ってもわからないですよね、だから理想を言えば、仁徳御陵前とでもいう駅名にしてもらったらと思います。難しければ百舌鳥仁徳前駅とか、何かそういう駅名の改称、これは商工会議所と役所が一生懸命力を合わせてやっていただければすぐできる課題だと思いますから、よろしくお願いしたいと思います。

(次頁へ続く)