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永藤英機 堺市長
永藤英機 堺市長
大平
 堺市としては、SDGsに関して、2030年までに何を達成しようと考えていますか。
永藤
 今、市ではSDGsの計画の策定を進めています。2018年から2020年が一つの計画期間だったんですね。ただ、それは今まで堺市政が行っている様々な事業を、SDGsの17のゴールに当てはめたら、どこに当てはまるかという観点で計画が示されていました。一方で、新しい取組は何をするのかというものが明確に見えていなかったんですね。ですから、私はやはり未来都市に選ばれている一つの市として、きちんと基準を示すべきだと考えまして、今まさにSDGsの計画策定を進めています。4月からは、17のゴール全てに堺市が求める目標、そしてその数値は何をクリアするかということを明確に示して、それに向かって行動していきたいと思います。これからパブリックコメントを経て、2月議会で報告したいと考えておりますので、ぜひご覧いただきたいと思います。
大平  まだ策定途中ということですね。
永藤
 今、策定をしています。
 1から17までゴールは既に決まっていますので、それについて、着実に進めていくという内容です。
 また、堺市全体の計画としては、基本計画というものがあります。マスタープランの10年間の計画期間が今年度で終わりますので、今、策定をしている新しい基本計画の期間が、今年の4月から始まります。そこには、具体的な政策が書かれており、SDGs未来都市計画と基本計画を中心に取組を進めていきます。
大平  2010年に策定した基本計画の10年間の計画期間が終わるということなんですけれども、達成状況はいかがでしょうか。

若い市長に期待する
継続は力なり

日越堺友好協会に外務省から贈られた表彰を永藤市長に報告。(令和2年12月16日)
日越堺友好協会に外務省から贈られた表彰を永藤市長に報告。(令和2年12月16日)
永藤
10年前に立てた計画では、様々な目標を掲げているんですけれども、8割以上は、残念ながら達成できていません。これまで掲げた目標に対して、どれだけ頑張れていたのかについては、疑問に感じています。
 次に掲げる計画というのは、目標を立てたからにはは、きっちり達成するんだという思いを持って行動していく、これが求められていると思います。

大平
 例えば、どういうところが達成できなかったのでしょうか。

永藤  例えば、世界遺産の登録や施設の建設などはできていますが、それ以外のことというのは、8割ほど達成できなかったということです。
加藤  私が今、振り返ってみますと、50年かけても完成してない事業がある。仕事を成し遂げていくためには、長い期間が必要です。言い続けて、予算をつけてもらうことが大切です。例えば南海高野線の連続立体交差です。あれは私が50年前に言い始めたことです。よその都市はどうしているのか勉強してみると、鉄道を高架化しているんですね。ご存じのとおり、中央環状線のところなんか、朝は渋滞が起こりやすくてね。
 今、50年たっても、まだ完成してない。だから、市長にはぜひ頑張っていただきたい。20年間頑張れば、手がけた仕事が軌道に乗りますからね。いかがですか。
永藤  そうですね。なかなか、近年の堺市長で20年務めあげられた方はいらっしゃらないんじゃないかなと。
加藤  やっぱり継続は力なり。頑張っていただきたいですね。
永藤  そうですね。口だけにならないように、思いが実現するように頑張りたいと思います。
大平  これからどんな堺をつくっていかれるのか、お尋ねしたいと思います。

日本とベトナムをつなぐ
1,000本の桜

永藤
 20年後の堺の各エリアのビジョンをイメージした「堺グランドデザイン2040」を策定しました。それに向かって、今できることから着実に進めています。
 例えば、大仙公園エリアは、1600年にわたり保全されてきた古墳群を適切に後世に継承し、また、世界遺産の価値や魅力を国内外に発信していくことが現代に生きる我々の使命であると認識しています。現在、堺市では、百舌鳥古墳群ビジターセンターの整備、博物館の展示リニューアルを進めており、初めて古墳群を訪れた方から、より詳しく知りたいという方まで、幅広い来訪者に満足いただけるエリアづくりを進めています。さらには、古墳群の魅力・雄大さを、自らの目で見て、体感し、価値を理解いただけるよう、上空から眺望できるガス気球の設置も進めています。
 その他にも、古墳群を快適に周遊・滞在できるよう、飲食や物販の機能の導入も進めており、国内外の方に、行ってみたい、また来たいと感じてもらえるエリアとなるよう注力します。
大平
 ありがとうございます。
加藤  昨年10月に特定非営利活動法人日越堺友好協会が市内265ある特定非営利活動法人の中で2番目に、堺市から認定特定非営利活動法人としての認定を頂きました。それを記念してベトナムに桜を1200本植樹して、吉野山に負けないようなものを現地につくるように進めております。一昨年2月に200本の桜が見事に開花したので、今年2月に500本、来年に500本の計1200本を植える予定です。また、この日越堺友好協会は昨年12月1日に外務省から特別に表彰をいただきました。

堺の未来を育てる教育

永藤
おめでとうございます。
加藤
 ありがとうございます。私は国際交流と国防をライフワークにしております。多くの方が簡単に国際平和と言うけれど、どんなすばらしい外交をするよりも、民間同士が付き合って、異文化を理解することが平和につながると思い、日々頑張っているんですね。さらに国防というのは、自分の国は自分で守らなければならない。それにはどうしたらよいかということを、みんなで知恵を使って頑張らなければいけないということをずっと言い続けています。
 国際交流のひとつの取組みとして、堺市が政令指定都市に移行したことを記念して始めた堺っ子書道展が17回目を迎えます。また、2008年に大平さんと学校図書館の活用が学習指導に役立つということで、中学校区で研究校を作って、学校図書館に学校図書館担当職員(学校司書にあたる職務内容)を配置しました。子どもたちが読書をするようになって、すごく成績が上がっています。学校図書館の活用が、先生の授業などに対する意識が変化するきっかけになったのではないかと思います。
(次頁へ続く)