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『感謝』でつながる
豊かな社会へ 

SMART SENBOKU PROJECT
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一般社団法人giv

「ICTを活用した取組を地域の発展につなげる」
対面ワークショップを体験する参加者たち
「ICTを活用した取組を地域の発展につなげる」
対面ワークショップを体験する参加者たち

 堺市泉北ニューデザイン推進室は7月2日、堺市南区役所において、泉北ニュータウン地域の住民の連携や地域力の強化を推進するため、一般社団法人givと連携し、デジタルプラットフォーム「giv」を活用した、交流活性化に向けた実証プロジェクトの説明会・ワークショップを実施した。
 本プロジェクトは、実証参加者が自身の好きなことや得意なことなどをgivに登録し、住民間での交流や新たなコミュニティづくりへの参加を可能とすることで、ICTの活用による地域の絆や結びつきの強化、新たなサービス提供や繋がりを促進するもの。これにより、泉北ニュータウン地域の特長のひとつである多様な住民活動の拡充につながるか等が検証される。一般社団法人givが、自治体と連携し対象エリアを限定してサービスの本格始動にチャレンジする実証プロジェクトは、全国で初の取組。
 この「giv」とは、デジタルプラットフォーム内で、無償で自分の好きなことや得意なことを人に提供(ギブ)し、受け取った人は、違う誰かにギブをつないでいく。ギブを通じて、人が感謝でつながっていくペイフォワード(恩送り)の仕組み。例えば、ヨガインスタラクターの授業を受講した農家が美容師に米を送り、受け取った美容師は他の誰かにカットを行うといった形。
 今回の実証プロジェクトの参加者からは、「贈る側にとってはなんでもないようなことが、受け手にとっては、専門知識となることもあるのでは」、「自分の可能性が見出せる場」などといった声が聞かれた。
 また、一般社団法人giv代表の西山直隆氏は「今回の実証プロジェクトは小さな一歩だが、確実に大きな取組となっていくだろう。参加者の皆様には、小さなことでも自分の価値を見出していただき、それが自然と地域に広がっていくことで、地域間のつながり、またその豊かさを感じていただければ嬉しい」とコメントした。
堺市泉北ニューデザイン推進室
TEL
072―228―7530
FAX
072―228―6824


堺 アルフォンス・ミュシャ館にて
 子どもまで楽しめる企画展
「ミュシャ芸術博覧会」を開催!

 堺 アルフォンス・ミュシャ館は、阪和堺市駅から徒歩3分。
 チェコ出身の画家アルフォンス・ミュシャの約500点にわたる世界的コレクションを所蔵するミュージアムです。
 7月31日から、館全体がまるで博覧会のような楽しい空間となる企画展を開催します。まだミュシャ館を訪れたことのない方も、この機会にぜひご来館下さい。
*企画展「ミュシャ芸術博覧会」
 ミュシャは、版画、絵画、彫刻、書籍など様々な技法で自らの芸術を表現した総合芸術家です。本展〝ミュシャ博〟では、展示室を1900年のパリ万博の会場〝グラン・パレ〟と〝プティ・パレ〟に見立て、ミュシャのマルチなアートワークをジャンルごとに大公開します。また、ミュシャと現代の情報技術が融合した、VR体験などの映像コンテンツも体験できます。

*子どもたちの美術館デビューを応援!
 ご来館の子どもたちを対象にオリジナル鑑賞ブック『むしゃむしゃミュシャ』を無料で配布します。ミュシャの作品をより深く、みて、あそんで、あじわえる内容の本です。
子どもたちに無料でプレゼントする鑑賞ブック
子どもたちに無料でプレゼントする鑑賞ブック
 また、8月中の毎週金曜日には子どもむけのギャラリーツアーを開催します。
*イベント多数開催
 他にも映画上映『ディリリとパリの時間旅行』(吹替版)やワークショップ、朗読会などの楽しいイベントを開催いたします。
【お問い合わせ】
堺 アルフォンス・ミュシャ館(堺市立文化館)
開館時間 9時30分~17時15分(入場は16時30分まで)
観覧料
一般510円/高大310円/小中100円/小学生未満・堺市在住の満65歳以上無料
TEL
072―222―5533
FAX
072―222―6833

社説

米軍に勝てると中国に誤解させない

元海上自衛隊呉地方総監
金沢工業大学虎ノ門大学院 教授

伊 藤 俊 幸

 台湾有事はあるのか、と聞かれることが最近増えています。筆者は、あるとすれば、二〇一四年にロシアがクリミヤ半島を奪い取ったようなハイブリッド戦になるのではないか、と答えています。
 ただし、台湾南西にある東沙(プラタス)島を巡る武力衝突は、起きる可能性がゼロではない、とみています。台湾海峡南端とバシー海峡西端の近くにあるこの島は、台湾よりも中国本土側に約二〇〇キロも近く、もし中国が基地化すれば、台湾本島侵攻の絶好の拠点になるからです。
 台湾の防空識別圏に中国軍機が侵入した、というニュースが日本でもよく流れますが、その多くがこの東沙島と台湾本島の間の空域を飛行しているのです。これは明らかに、いつでもこの島を台湾本島から分離できる、という示威行動に他なりません。
 そして重要なことは、この島の存在を、日本人もアメリカ人もほとんど知らないということです。中国側が、「この島に対する武力衝突なら、米軍は関与しないのではないか」と勘違いする可能性が、十分ありうるからです。
 昨年来、「ウォーゲーム上で、米軍は中国軍に負けている」など、「米軍は中国軍より弱い。」といった米国発の報道がながれています。経験上筆者は、これが国防費増額を求める米軍のレトリックの可能性が十分ある、ということを知っています。
 しかし恐ろしいのは、中国軍高官が「米軍に勝てる」と本気で勘違いすることなのです。二〇二〇年二月、中国の元海軍少将による「米軍の実力は中国軍より遥かに上で、米軍の地位はゆるがない」という談話が発表されました。おそらくこれは、実情を知る中国海軍による中国国内への警鐘だと筆者はみています。
 今中国共産党中央軍事委員会の上位メンバーには、陸軍から移籍した海軍大将が一人いるだけで、真の海軍軍人はいません。米海軍を中心として編成される米軍の本当の強さを知らず、戦争体験のない陸軍高官たちが、勘違いすることが一番危ないのです。
 いま大事なことは、「米軍に勝てる、と中国人に誤解させない。」「中国に抵抗しても無駄だ、と台湾人にあきらめさせない。」この二つなのです。