次へ

インド独立75周年記念事業
写真展
「インドの文化と人々」

 インドがどのような国であるのかを理解するのは容易ではありません。インドは、世界で2番目に人口の多い国というだけでなく、非常に幅広い多様性と豊かな文化を誇ります。
 インドの多様性は、この亜大陸で生きてきた人々の共同体が、各々の伝統や知識体系を通じて、何世紀にもわたって育んできたものです。
 それは、雄大なヒマラヤ山脈、広大なインド・ガンジス河畔平原、大インド砂漠、チョタナグプル高原の森林、デカン高原の巨大な台地、そして未踏の地を含むインド北東部などの自然環境や景観にも表れています。
 これに加え、インドの言語や文学、宗教や民族性、食べ物、衣服、音楽、舞踊、芸術や建築などにおける多様性を把握して初めて、インドの全貌が見えてくることでしょう。
 今回の写真パネル展では、堺市とインドとの間の意外な共通点にも着目しつつ、インドの色彩に富んだ雄大な世界へと見る人を誘います。8月10日~16日、堺市役所高層階1階ロビーで。
主催 在大阪・神戸インド総領事館、共催 特定非営利活動法人堺国際交流協会、協力 堺市。
ガンジス河の聖なる火の儀式
(ウッタラカンド州 ハリドワール)
ガンジス(ガンガー)の岸で、日々夕暮れに行われる祈りの儀式「ガンガー・アールティー」。ヒンドゥー教の寺院の鐘が鳴り響く中、祭司が火を灯した鉢を持ち、マントラ(真言)を唱える。
ガンジス河の聖なる火の儀式
(ウッタラカンド州 ハリドワール)
 ガンジス(ガンガー)の岸で、日々夕暮れに行われる祈りの儀式「ガンガー・アールティー」。ヒンドゥー教の寺院の鐘が鳴り響く中、祭司が火を灯した鉢を持ち、マントラ(真言)を唱える。

全国新酒鑑評会で
金賞を受賞

有限会社利休蔵

賞状を持つ加藤堅氏、西條裕三氏、大津厚志氏(右から)
賞状を持つ加藤堅氏、西條裕三氏、大津厚志氏(右から)

 堺で唯一の酒蔵を持つ有限会社 利休蔵(代表取締役 西條裕三氏)に7月9日、全国新酒鑑評会において「千利休 大吟醸 三割五分磨き」が金賞を受賞したことに対する賞状が届いた。
 代表取締役の西條裕三氏は「一言で運が良かったと思っている。とはいえ、水にこだわり、金剛山から湧き出る『行者湧水』と呼ばれる水に変えたことは大きな要因であったと思っている。記録上、堺の酒蔵が受賞したことは初めて。これからも良い仕事をしていきたい」と喜びを語った。
 また、杜氏の大津厚志氏は、「会社の皆さんに酒造りの場をしっかりと整えてもらったこと、これにより、基本を大事に酒づくりに集中できたこと、毎日の試行錯誤の繰り返しが今回の結果を生んだと思う。地元の堺で応援していただいた方にも感謝を伝えたい。最後は皆さんの力が金賞への一歩を進ませてくれたと感じている」とコメントした。


“オリンピック”
堺 町並み スケッチ(258)
野 村 亜紀子

境王子跡
野 村 亜紀子
 流れるように幹がそろって傾いている松林、雄々しくてキリ! とした姿。好きな構図です。様々な意見が有る中、オリンピックが実施されます。これを書いているのは始まる前なので内容は分かりませんが、アスリート達がその日の為に努力し全てをかけて結果を出す。喜びと悔しさを、私達は映像を通し、日頃に無い感動や感情を味わい、人間の身体の素晴らしさを知る事になります。
 年老いて、日々身体の衰えに愕然としている者にとって、若々しく身体能力を出し切る競技を見る事は、喜びであり、元気をもらえます。私自身40年来スポーツを続けていますが、続ける為に日常の健康に注意し、今の元気な私でいられています。これから先、何年このままでいられるかと楽しむ気持ちも有りますが、自在に動ける事への感謝の毎日なのでもあります。
 地球を包み込んだコロナは、人間に生きるという事を見直させたと思います。日常の当たり前の事、コミュニケーションの大切さ、安らぐ気持ち、時間の使い方、自由で有ることの喜び等々、ワクチン接種によって元の生活に戻れたらと思いますが、期待していいのでしょうか。

『昭和史を考える記録映像上映会』

「激動の記録―第2集、終戦前夜」の記録映像を見ながら昭和史を学び、考え、戦争体験者から戦時中の話を聞きながら語り合う。8月14日11時から。堺市立東文化会館(北野田駅前)で。主催 昭和の庶民史を語る会(072―236―3357)。
 『戦争遺構の幻燈上映会』8月の終戦記念に戦争遺構を見ながら平和と戦争について考える。身近に現存する知られていない戦争遺構の数々を紹介。8月21日11時から、堺市立東図書館(北野田駅前)で。講師・戦争遺構研究会 代表 柴田正己氏。
 ともに参加無料、直接会場へ。


第59回 具現展
油絵・水彩・きりえ

日時 8月3日㈫~8日㈰
   9時30分~16時30分
場所 大阪市立美術館地下展覧会室(天王寺公園内)
主催 具現美術協会
本紙連載「堺町並みスケッチ」の野村亜紀子氏の作品も展示されます。
※美術館には駐車場がありませんので、天王寺公園地下駐車場をご利用下さい。


開館5周年 小林美術館

地元の中学生を招待

=写真=

 地域に愛される小林美術館の開館5周年記念として、同館は7月10日、地元 高石市立高南中学校、同取石中学校の中学生を無料で招待した。
 学芸員による日本画や小林美術館に関するの説明のあと、学生は開催中の特別展、季節展を熱心に観覧していた。=写真=
 小林英樹館長は「皆様のおかげで、小林美術館は開館5周年を迎えました。これを記念して、地元のために何かできることはないかとの想いから高石市の中学生を招待し、実際に日本画にふれていただこうと企画しました。これを機に、小林美術館がますます地元・高石で愛される存在となり、美術ファンの憩いの場として知名度が広がることを願っています」と話す。
 参加者した学生からは「日本画を見たのは初めて。良い経験になった」、「色使いがとても綺麗でした」、「教科書でしか知らなかった紙本・絹本などの違いが、実物を見るとよく分かった」などの感想が聞かれた。
小林美術館
高石市羽衣2丁目2番30号(南海本線羽衣駅、JR東羽衣駅より北西へ徒歩約4分阪堺電車浜寺駅前駅より南西へ徒歩約8分)
開館 10時~17時(入館受付は16時30分まで)
月曜休館
入館料 大人1000円、高校・大学生600円、小学・中学生300円
電話
072―262―2600
https//www.kobayashi-bijutsu.com


国防と神社(41)

承久の変800年シリーズⅦ
上皇方で殉節した忠臣たち 後編

大阪観光大学講師 久野 潤

 前回は、上皇方の忠臣として処刑された5人の公卿が祀られる藍澤五卿神社に触れた。今回は、前回紹介しなかったもう1名の忠臣をまず取り上げたい。
 後鳥羽上皇の近臣であった一条(藤原)信能は従三位・参議に叙任され、承久3年(1221)承久の変では一口(現京都府久御山町)で弟の尊長と共に幕府軍相手に奮戦。幕府方に捕縛されたのち、遠山景朝(江戸時代の町奉行として知られる遠山金四郎景元の先祖)預かりの身となり、鎌倉への護送の途上、景朝の領地である美濃国岩村(現岐阜県恵那市岩村町)で斬首された。なお尊長は延暦寺の僧であったが、武芸に優れ、6年潜伏の後に六波羅探題変後設置に捕まり殉節した。当地の村人により墓所と信能を祀る若宮社が営まれていたが、明治13年(1880)明治天皇御巡幸の際、侍従の片岡利和が墓所視察を命ぜられ、三条実美太政大臣を通して祭粢料十円が下賜された。翌年には若宮社が巖邨(岩村)神社と改称され、現在に至る。
 また、執権北条氏と同じく桓武平氏の末裔で、もともと鎌倉幕府御家人でありながら、西面の武士として後鳥羽上皇に仕え、承久の変において越中国礪波山(現富山県小矢部市)で幕府軍と戦い戦死した仁科盛遠という人物もいる。盛遠の所領であった信濃国仁科荘(現長野県大町市)の領民が、森城の片隅に髻塚を建立し、盛遠を慕って祠で祀ったと伝わる。祠は王政復古(明治維新)後に仁科神社と改称され、昭和18年(1943)当時の平村出身の戦没者が合祀された際に現在の規模となった。仁科神社では本年、盛遠の命日である6月8日に「仁科盛遠公御正忌八百年記念大祭」が斎行された。
 承久の変の忠臣たちは、後醍醐天皇に仕えて戦死した楠木正成・新田義貞・北畠顕家などのようにクローズアップされることが少ない。しかし承久の忠節が伝え続けられたからこそ、建武中興(建武の新政)の忠節があり、それがさらに王政復古の志士たちへと受け継がれたのである。