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在大阪・神戸インド総領事

堺を訪問

堺を訪れたニキレーシュ・ギリ新総領事(左)と加藤均理事長
堺を訪れたニキレーシュ・ギリ新総領事(左)と加藤均理事長

 9月17日、在大阪・神戸インド総領事館のニキレーシュ・ギリ総領事が堺を訪れ、特定非営利活動法人 堺国際交流協会の加藤均理事長を表敬訪問、着任の挨拶を行った。
 堺国際交流協会とインド総領事館は関係が深く、8月には「インド独立75周年記念写真展」(主催 在大阪・神戸インド総領事館・堺国際交流協会、協力 堺市)を堺市役所で開催、11月には「古典舞踊・音楽の夕べ」の開催が予定されている。
 総領事と加藤均理事長は、両国による交流イベントの開催など、今後の協力関係強化について意見交換を行った。
 ギリ総領事は「インドの『偉大な友』加藤理事長のこれまでの支援に関して感謝申し上げます。これからも文化、経済、教育、観光など様々な分野での交流を進めていくことへの協力を願いたい」と述べ、加藤均理事長は「お互いの文化の違いを理解することが両国の発展、そして世界平和にもつながると信じています。今後も変わらず協力を続けたい」と応えた。
 ニキレーシュ・ギリ総領事は、インド太平洋局課長、西アジア・北アフリカ局局長を歴任、8月24日に在大阪・神戸インド総領事に着任した。


堺能楽会館
ジャワ舞踊&ガムラン音楽公演

ジャワ舞踊家 冨岡三智氏
ジャワ舞踊家 冨岡三智氏

 堺能楽会館でインドネシアのジャワ島中部にある王宮都市・スラカルタの伝統舞踊と、青銅製の打楽器を中心としたアンサンブルのガムラン音楽公演「幻視in堺―能舞台に舞うジャワの夢―」(主催 ジャワ舞踊の会)が開催される。
 この公演は、堺市文化芸術活動応援補助金対象事業(舞台芸術創造発信事業)として採用されたもので、出演はインドネシアに留学・研修渡航してガムラン音楽に本格的に取り組む日本人と、インドネシアで活躍ののち現在は日本に住むインドネシア人で中部、近畿、四国、中国地方から結集する。
 主催するジャワ舞踊の会 冨岡三智氏は「歴史深いインドネシア舞踊を、日本の伝統的な古典の舞台で披露できることを光栄に思います。公演後オンライン配信も検討しており、アジアの文化都市・堺を世界に発信したい。公演を通じてインドネシアの文化を感じていただければと願っております」と語る。
日時 10月23日㈯12時30分~14時(12時開場)
16時~17時30分(15時30分開場)
場所 堺能楽会館 堺区大浜北町3丁4―7 ダイトクビル1階(堺駅より徒歩8分)
料金
各公演 一般3000円、小中学生1000円(全席自由)
問い合わせ
 ジャワ舞踊の会
http://javanesedance.blog69.fc2.com/

ジャワ舞踊の会の
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第百二十回
無縁物故者慰霊祭

写真

 9月23日の秋分の日、「第百二十回無縁物故者慰霊祭」がサンスクエア堺(堺区)においてしめやかに営まれた。=写真=
 この慰霊祭は、一人寂しくこの世を去られた方々の霊を慰めるため、新生社 加藤均代表取締役社長が祭主となり、60年に渡り毎年春秋の彼岸の中日に営まれてきたもので、祀られた御霊は334柱にのぼっている。
 加藤均祭主は祭文の中で「無縁物故者の御霊がいつまでもやすらかであられますよう、私の生ある限りこの法要を続けてまいります」と霊前に誓った。
 堺市から永藤英機市長の代理として健康福祉局 山本甚郎局長、堺市教育委員会 日渡円教育長の代理として中山真裕美総務部長が参列、追悼の辞を述べた。
 今回もコロナ対策のため一般参列は無く、関係者のみが参列、本光寺の足立英修住職による読経のもと、物故者の冥福を祈りながら献花を行った。


社説

中国とロシアに与えてしまった20年

元海上自衛隊呉地方総監
金沢工業大学虎ノ門大学院 教授

伊 藤 俊 幸

 9.11以前の米国は、「テロは犯罪」と捉えていました。ところが米国同時多発テロを受けたブッシュ大統領は、「米国に対する侵略戦争」だと定義したのです。そして同盟国とともに「自衛権」を発動し、アフガニスタンでの軍事作戦を開始したのです。いわゆる欧米による「対テロ戦争」が始まった瞬間でした。
 しかし二十年の戦いを経て、タリバンの再興という形で決着してしまった今、「果たして『対テロ戦争』とは正しい行動だったのか?」その是非が問われています。「今後は外交中心で対応する」と米国が発言しているのも、その一つでしょう。
 一方、中国の台頭とロシアの復活を許してしまったことも、一つの事実なのです。当時在米防衛駐在官だった筆者は、米軍関係者だけではなく、各国の駐在武官とも意見交換をしていました。
 ロシア武官は、「やっと米国がテロの危険性に気づいてくれた」と、安堵したように語ったことを思い出します。またテロ特措法により海外派遣される海自艦艇について、各国の反応を調べていた筆者が中国武官に尋ねると、「テロとの戦いに行くんでしょ。当然だよ」と答えたのです。
 チェチェン共和国や新疆ウイグル自治区でテロ組織と戦闘を繰り返していた両国は、米国が「テロ組織壊滅」のため軍を使って立ち上がったことに、諸手を挙げて当時は賛成したのです。なぜならそれまで欧米諸国は、軍隊を使ったロシアや中国のテロ対応を「人権弾圧」として非難していたからです。
 9.11以降の数年間、ロシアと中国は、それまでさんざん非難していたミサイル防衛について一切言及しなくなったのです。
 しかし、米国がイラク戦も開始し、中東で泥沼の「対テロ戦争」を続けている間に、ソ連崩壊後の混乱から立ち直ったロシアはウクライナのクリミア半島を併合し、中国は米軍を脅かすほどの軍事大国として台頭してしまいました。
 「対テロ戦争」から「大国間競争」へ、との米国の国防戦略の転換は、バイデン大統領のいいわけではなく事実です。そしてそれは日本にとっても妥当性ある判断といってよいのです。