堺の今むかし巡り ⑸

「芦原濱太鼓台の詩」
広田友重(堺区南田出井町)

 1975年、私が25歳の時に南旅籠町(芦原地区・土居川北岸)の知人が「秋祭りで、芦原濱太鼓台を毎年、開口神社(大寺さん)に出すのだが、太鼓を叩くのがもう一つなので指導してもらえないか」と依頼があった。それで今まであった歌の音頭と同じにして、芦原濱の独自の歌を作詞すればもっと愛着がでるのではと思い以下の歌詞を作詞し、太鼓叩き(子どもたち)に若中の知人と一緒に教えた。
 結果は上々で皆に大変喜ばれた。その後、暫く芦原濱の太鼓が舁がれている所を見なかったがコロナ禍の前年、堺祭りで芦原濱の太鼓が出ていたので、見ているとなんと私が作詞した歌が歌われているのに驚いた。47年間も長く地元で歌われ続けられていたことに感慨深い思いがする。ある意味で『堺の伝説』になったのだと思った。
 平成15年に発行された「堺まつり太鼓連合保存会三十周年記念誌」にも、この経緯が少し載っている。

大寺さん西の大鳥居(石造り)での芦原濱大太鼓。
この時鳥居に神額はなかった。(昭和58年9月筆者撮影)
大寺さん西の大鳥居(石造り)での芦原濱大太鼓。
この時鳥居に神額はなかった。(昭和58年9月筆者撮影)
現在の西大鳥居、神額が掲げらている。
現在の西大鳥居、神額が掲げらている。

八朔祭り太鼓の歌
一、近江石山寺の秋の月 月にむら雲 花に風
風の便りは阿波の島 縞の財布に五両十両
ゴロゴロ鳴るのはなんじゃいな
地震雷あと夕立 大寺の和尚さん坊さんで それ故八朔雨じゃいな
ベーラー  ベーラー  ベラショツ ショ

二、牡丹に唐獅子竹に虎 虎追って走るは和唐内
あとないお方に知恵貸そうか 知恵の中山青閑寺
せんがん寺の和尚さん坊さんで それ故八朔雨じゃいな
ベーラー  ベーラー  ベラショツ ショ

三、大寺御紋は 焼け茄子 天神さんの御紋は梅鉢で
(一富士 二鷹の 三茄子 目出度い祭りじゃ 歌いましょ )(を筆者補詩)
ベーラー  ベーラー  ベラショツ ショ

四、(芦原濱の若い衆は 朝の早よから 濱に出て 雨の降る日も濱に出て
風の吹く日も濱に出て 海老に鰯にさるぼうを お船一杯漁をして 手々噛む鰯と売ったとさ(四)を作詞する。
ベーラー ベーラー ベラショツ ショ

御旅所に奉納する芦原濱大太鼓、境内に太鼓蔵がある。(昭和58年9月筆者撮影)
御旅所に奉納する芦原濱大太鼓、境内に太鼓蔵がある。(昭和58年9月筆者撮影)
現在の開口神社芦原御旅所(堺区南旅籠町西)を南から見る。
境内も整備され、常設の立派な花代掲示板が立てられている。太鼓蔵は現在、災害備蓄倉庫に。
現在の開口神社芦原御旅所(堺区南旅籠町西)を南から見る。
境内も整備され、常設の立派な花代掲示板が立てられている。太鼓蔵は現在、災害備蓄倉庫に。
 芦原浜子ども太鼓が、平成12年10月3日オランダ独立記念日において、ライデン市のパレードの最後に出演し、絶賛を博した。これは400年目の日蘭友好の証として行われたものだが、その実現には堺ジャーナルの社主でもあった、特定非営利活動法人堺国際交流協会理事長の加藤均氏が大きな貢献をされた。
 加藤均氏は44年の長きにわたり、堺市市議会議員として堺の発展に寄与されたが、本年7月、93歳で旅立たれた。
 あらためて深く哀悼の意を表し、ご冥福をお祈りいたします。
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 読者の皆様から、堺の「昔の風景」写真を募集いたします。商店街、建物、学校、駅舎、祭り、行事など。一緒に堺を巡りましょう。プリント、郵送で。〒590―0948 堺区戎之町西1丁1―30 堺ジャーナル編集部まで。



119番、その前に!
堺市消防局

救急要請の注意点
 顔半分が動きにくい、ろれつがまわりにくい、突然の激しい頭痛、こんな症状の時は急いで119番通報し、救急車を要請してください。
 急な病気やケガで救急車を呼ぶか、自分で病院に行くか、判断に迷う場合は、左記「救急安心センターおおさか」をご利用ください。
関係連絡先
救急安心センターおおさか
「#7119」または「06―6582―7119」(24時間365日対応)
 新型コロナウイルス感染拡大防止のために感染対策(3密の回避、マスク着用、手洗い、こまめな換気等)を徹底してください。

懐かしい浜寺海水浴場(昭和28年)


『昭和史を考える
記録映像上映会』

 記録映像「日本人はなぜ戦争へと向かったのか」 なぜ日本は無謀な戦争への道を選択したのか。ウクライナ侵攻の現状も再考する。12月10日11時から、堺市立東文化会館アミナス3階(北野田駅前)で。主催 昭和の庶民史を語る会(072―236―3357)。
 『近代建築の幻燈上映会』見直しが進む近代の大阪周辺の旧遊郭建築について考える。12月17日11時から、堺市立東図書館(北野田駅前)。講師・明治建築研究会代表柴田正己氏。参加申込は柴田氏(携帯090―4289―1492)まで。


税金豆知識

〝法人の青色申告の取消と再申請について!!〟

 企業において法人設立時に「青色申告の承認申請書」を提出し承認されることを多く見かける。青色申告のメリットとしてまず繰越欠損金を10年間繰り越したり様々な特典がある。が、「青色申告の取消」を受けるとそのすべての特典の適用が受けられなくなる。
取消事由は左記の通りである。
㈠ 帳簿書類の備え付け等が不備の場合
㈡ 税務署長の指示に従わない場合
㈢ 帳簿書類の取引を隠ぺい又は仮装した場合
㈣ 二期連続して期限内申告をしなかった場合
㈤ 電子帳簿保存の承認の取り消しと青色申告の承認の取消があった場合
 次に青色申告の承認が取り消されると青色申告のメリットが使えなくなるがそのメリットとは主に左記に挙げてみる。
① 欠損金の繰越控除
② 欠損金の繰り戻し還付
③ 少額減価償却資産の特例
④ 特別償却と特別控除の適用
「青色申告の取消」を受けるということは企業にとって多大な損失となるのでそうならないように心がけて戴きたいものである。
 尚、青色申告の再申請は「青色申告の承認の取消通知書」に記載のある通知日から一年を経過後であれば申請することが可能であり再承認を受けることが出来る。取消の通知日から一年以内でも再申請は可能であるが、基本的に却下されるため一年を経過後に再申請をして戴きたい。
 詳細については管轄の税務当局にてご確認の程。
税理士 大西 正芳
税理士 大西 正芳