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ソウルでの休日は、 実に楽しいものだった。 Kとは空港で落ち合い、 地下鉄に乗って街に出た。 普段はヨーロッパやアメリカの文化を礼賛しているKも、 ソウルは気に入った様子。 ガイドブック片手に、 何よりも先ず、 本場韓国の焼肉を食べようという。 そこで二人は、 ミョンドンという繁華街に向かった。 そこには、 日本と同じくろう細工のサンプル料理を並べるレストランが軒を連ねていた。 ダイナミックという言葉がぴったりの色鮮やかで、 ボリュームたっぷりのサンプルだ。 各店の前では、 いわゆる呼び込みをしている。 ぼくらの前に現れたのは、 濃い目の化粧、 笑顔一杯の中年のおばさんだった。 「おいしいよ!」 と日本語で連呼するのだが、 なぜかその後に 「ワタシきれいね!」 と続けるのだ。 それには、 Kもぼくも大爆笑。 迷うことなく、きれいなおばさんの店に入ることにした。 焼肉はおいしかった。 韓国では、 肉をハサミで切って焼く。 これは初めてのことだったので、 ちょっと驚き。 それを見ながらKは、 「なるほどね〜」 と大きな声で感心している。 そして日本に帰って、 会う人ごとに 「韓国ではね、 焼肉の肉をハサミで切るんだよ」 と知ったかぶり、 いや〜な顔をされるのだ。 食べ終わって満腹したぼくらを送りに出たおばさんは、 人懐っこく 「また来てね」 という。 日本人の観光客も多くやって来るのだろう、 満面の笑みで一緒に記念写真に納まってくれた。 焼肉は、 キムチとともに韓国を思い出させる懐かしい味となった。 腹ごしらえが済むと、 Kは 「韓国エステ」 に行きたいという。 エステとは何とぼくらに似合わない言葉だろう。 しかし、 ガイドブックをチェックしてきたKは、 どうしても 「エステ」 を体験したいようだ。 よくよく聞いてみると、 Kが望んでいるのは、 肌のお手入れではなく、 垢すり。 話には聞いていた韓国の垢すり、 ぼくも体の垢を落としてみようかという気持ちになった。 そこで、 ガイドブックを頼りに 「韓国の垢すりエステ」 に向かった。 たどり着いたのは、 ちょうど日本の銭湯のようなところ。 実際、 湯船があり同じフロアーにビニールのカーテンで仕切られた 「垢すり場」 がある。 簡易式のベッドが二台並べて置いてある。 Kとぼくはいわれるままに、 服を脱ぎそのベッドに横になった。 いよいよ、 垢すりが始まる。 手ぬぐいでゴシゴシと体を擦るのだ。 リラックスできて、 夢心地になるかと思っていたのだが、 始まってみると痛くて仕方がない。 力任せに擦るので皮膚がむけてしまうのではないか、 と思うほど。 ぼくは目を硬く閉じて、 痛みと戦うという状況に陥った、 心の中で 「こんなのエステじゃない!」 と繰り返しながら。 しばらくして、 隣のKのことが気になってふっと横を見た。 タオル一枚で横たわるKの姿など見たくなかったが、 どのように痛みに耐えているのかと好奇心に駆られたのだ。 その時のぼくの驚き!英語でいうなら 「オーマイゴッド!」、 インドネシア語ならば 「アドゥー!」、 日本語ならば 「びっくりしたな、 も〜!」 というところだろうか。 普段はかけている眼鏡をはずしていたので、 若干ぼやけ気味ではあったが目に飛び込んできたのは、 異様なふくらみを帯びた巨大な物体。 高校時代からどちらかというと太り気味であったKは、 会社勤めで運動量が減り、 かなりの肥満体型になっていたのだ。 ベッドに盛り上がる腹は山のよう。 それからぼくは、 Kのその姿がおかしくて仕方がなくなり、 垢すりの痛みを忘れることができた。 垢を流す時に桶の水をかけるのだが、 その時にぼくは実際に見たこともないが、 なぜか 「トドの水浴び」 を思ったのだった。 店を出るとぼくら二人の心は、 「エステ」 に費やした時間と金を惜しむ気持ちで一杯になった。 Kも相当痛かったようで、 もうあんなものはやりたくないという。 ぼくは自分でヘチマで体を洗った方がいいと思っている。 しかし、 痛みの中にあっても、 あのユーモラスなトドの水浴びを見られたことは無駄ではなかった。 なぜならあの光景は、 今でもぼくがKをからかう絶好の材料となっているからである。 かくして、 Kとぼくの韓国旅行は無事に終わった。 大いに食べ、 笑った時間だった。 さんざんからかわれたKも、 怒ることなくにこやかだった (子供じみたぼくの振る舞いに、 ただ呆れているだけだったのかもしれないが…)。 とにかくソウルはいい街だった。 Kに 「また行こう」 というと、 彼もまた 「うん、 行こう」 と答えるのだった。 |
NPO法人 堺国際交流協会 |
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明治10年 (1877年) に建築された日本最古の木造洋式燈台である、 旧堺燈台=写真=が今年も 「海の日」 にあわせて、 内部1階が一般に公開される。 |
演技の部 小学生低学年 優勝 下村将弘 篠本勇人 2位 西牟田茉鈴 中村 瞬 小学生高学年 優勝 日山菜々 山本真梨子 2位 下村敏弘 篠本 優 中学生 優勝 林田智笑 林田葉純 2位 田村伊都奈橋本佳歩 3位 北川史華 原 彩華 一般段外 優勝 猿田行伸 奥田浩之 2位 熊本成美 竹村友希 試合の部 小学生低学年 優勝 篠本勇人 2位 中村 瞬 3位 下村将弘 小学生高学年 優勝 山本真梨子 2位 日山菜々 3位 篠本 優 中学生 優勝 林田智笑 2位 林田葉純 3位 益田徳子 一般段外 優勝 熊本成美 2位 竹村友希 男子 優勝 猿田行伸 2位 奥田浩之 |
環境に配慮しながら経営のスキルアップを考えるセミナーが開催される。 中小企業者でも取組みやすい環境マネジメントシステム 「エコアクション21」 (環境省策定)。 その概要や取組み方などが解説される。 主な内容として講演 「排出権取引について」 (大阪市立大学名誉教授・野邑奉弘氏)、 や認証企業による事例の発表など。 一般の参加も呼びかけている。 |
巷では消費税率の引上げの噂がチラホラと囁かれている昨今だが、 その消費税の課税売上などの経理方法には消費税額を売上に含めて仕訳する税込経理方式と仮受消費税などの名目で処理する税抜経理方式があり、 納税者はいづれの方式を選択してもよく、 選択した方式は原則的にその会社の全ての取引において適用しなければならないのである。 |
税理士 大西 正芳 |