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狭間氏はサントリー次世代研究所課長、 大阪観光コンベンション協会情報発信担当部長を歴任し、 堺市マスタープラン推進検討懇話会委員などを務めた。 同市初の民間副市長となる。 任期は4月1日から4年間。 教育委員会、 教育長には木村正明氏 (62) が就任した。 木村氏は子ども青少年局長、 代表監査委員などを歴任した。 全国公募で美原区長に選ばれたのは、 宮田知弥氏 (59)。 宮田氏は民間企業で管理職を歴任、 さらに山形県立谷地高校で民間人校長として教育現場で改革に取り組んだ経験を持つ。 任期は4月1日から1年間 (1年ごとに更新、 最長3年間)。 24年度 堺市人事 |
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伝統的な日本家屋には、 精神的にきわめて深い内容がこめられていました。 まず、 入り口は玄関と呼ばれます。 考えてみれば、 玄なる関とは、 ずいぶん大仰な言い方です。 それだけ、 外の世界は浅い世間と見て、 内なる世界にこそ奥深い心の領域があることを意識していたのでしょう。 家のもっとも中心に位置する部屋には、 ほぼ必ず床の間があって、 掛け軸が掛けられ、 花が活けられ、 香炉が置かれたりしました。 そこに掛けられる軸は、 禅僧の墨蹟や山水画など、 香を手向けて礼拝すべき、 いわば聖なるものが表出されているものであることが一般的でしょう。 そのような掛け軸が常に懸けられていることによって、 自己のいのちの由来、 そして自己のいのちの到達すべき世界が、 自己の心の奥深くに絶えずしみこんでいくように、 配慮されているのです。 部屋ごとの鴨居に扁額が掛けられたりすることにも、 同じ意趣がこめられているでしょう。 とすれば日本の家は、 人間として成長していくべき道場にも他ならない、 と構想されていたのではないでしょうか。 一見無駄なスペースとも見なされかねない床の間には、 実はそのように人間の精神性を深く養うという重要な役割があったのでした。 今日の集合住宅の様式においては、 このような配慮があるでしょうか。 家の奥の床の間に、 たとえば山水の軸を掛けることは、 何を意味しているのでしょうか。 それはいわば、 心のうちに自然を浮かべようとしたものであり、 逆に自然は心のうちにあることに気づかせようとするものだと思います。 このとき、 本来の自己は、 実は意識された個我を超えた心のうちにあることをも教わることになります。 そのように、 山水画を掲げることにおいて、 日本人は自然の持つ聖性を自己の外にではなく、 自己の心の奥に尋ね、 そのことにおいて本来の自己を掘り下げていたのです。 小さな庭に山と海をかたどり、 盆栽に大自然を活けようとするのも、 もともとは同じ心に基づくものでしょう。 日本の文化の伝統に深く息づいていた、 自然を心に浮かべてその心の霊性にまでふれるあり方は、 今、 どこに行ったのでしょうか。 確かに今日も盆栽や築庭もさかんですし、 和風建築も好まれています。 しかしそこに本来あった心の修養の場、 自己の探求の場としての家の観念については、 ほぼ忘れ去られているように思われます。 今、 私たちは自然をその中に抱くような心を、 もう一度、 呼び覚ますことが必要なのではないでしょうか。 人間と地球環境との関係のあり方を、 深く問い直すためにも。 |