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堺で祝うベトナム旧正月

総領事館でパーティー開催

盛大に開かれた「ベトナム旧正月パーティー」
盛大に開かれた「ベトナム旧正月パーティー」

 堺との歴史的関係が深い、ベトナム社会主義共和国の「2014年旧正月パーティー」が1月28日、堺区にある在大阪ベトナム総領事館で開催された。
  祝い太鼓の後、レー・クオク・ティーン大使級総領事が「近年の経済不況や、自然災害など様々な困難の中、ベトナムは努力して国民の生活の安定を確保しています。日本・ベトナム国交関係樹立40周年を迎えた昨年は、ここ堺でも多くの記念行事が開催されました。ベトナムにとって日本は最も重要なパートナー、今後も経済・文化・教育など様々な交流により相互理解を深めながら、より美しい世界のために協力していきましょう」と開会の挨拶を行った。
  堺市を代表して狭間惠三子副市長が「今後も堺市とベトナムの友好関係を発展させていきたい」と竹山修身市長のメッセージを伝えた。

鮮やかな獅子舞が会場内を舞う
鮮やかな獅子舞が会場内を舞う
 パーティーには関西の政府・経済関係者、両国の友好協会のメンバー、ベトナム人留学生、研修生など300人以上が出席、新年を祝いながらそれぞれに親睦を深めていた。
  ステージでは、賑やかに鐘や太鼓を打ち鳴らし、鮮やかな獅子がダイナミックに踊る旧正月の風物詩の一つである獅子舞や、民族歌謡、舞踊が留学生などにより披露された。
近藤剛氏による空手形演武
近藤剛氏による空手形演武
 日本からは、堺市空手道協会副理事長 近藤剛氏が演武を披露した。大阪府空手道連盟 技術委員会委員長も務める近藤氏は2008年に公益財団法人 全日本空手道連盟公認8段位に合格(堺市初、大阪府でも3人目)、日々青少年の指導にあたっている。迫力ある形演武「八歩連(パープーレン)」が披露され、、日本の伝統文化に会場からは大きな拍手が贈られた。

第12回 ホイアン日本まつり in 堺

 ベトナム社会主義共和国、古都ホイアン市で毎年開催されている「ホイアン日本まつり」が今年は堺市でも開催されることが決まった。
  昨年、ホイアン市のレ・バン・ジャン市長(同市人民委員長)から、特定非営利活動法人 日越堺友好協会の加藤均理事長に堺での開催を直接要請があり、開催につながった。2月にはホイアン市で両国の関係者による会議が開かれ、堺での開催決定が確認された。
  主催はホイアン市、共催は日越堺友好協会、堺国際交流協会、堺観光コンベンション協会。ベトナム総領事館、堺市、外務省の後援も予定されている。
  堺まつりに合わせて10月の開催が予定されている。

日本・ベトナム友好関係構築に貢献

日越堺友好協会 総会開催

 23年9月設立以来、堺を拠点にベトナム社会主義共和国との交流を進める特定非営利活動法人 日越堺友好協会の総会が2月19日、在大阪ベトナム総領事館(堺区)で開催された。=写真=
  会の冒頭、同協会の加藤均理事長が「日越国交樹立40周年という記念の年である昨年は様々な行事で両国間の友好、親善に力を注いできました。本年度は総領事館との連携を強化しながら、さらに両国の役に立つ経済面での協力、事業体制づくり、進出企業への手助けを行っていけるよう会員の皆様と力を合わせて取り組んでいきたい」と挨拶を行った。
  総会では、25年度の事業報告として、ホイアン日本まつりへの参加(藤間信氏による日本舞踊)をはじめ、堺市空手道選手権大会へのベトナム選手の招聘、国交樹立40周年記念交流音楽会「音楽は海を越えて」などの開催、大起水産鰍フ協力のもと行われているビンディン省水産業の支援などがあげられ、堺での開催が決まった「第11回ホイアン日本まつり」の実施、ベトナム投資セミナー、留学生との懇親会など26年度の事業についても話し合われた。
近藤剛氏による空手形演武

社説

現代学生百人一首
東洋大学学長 竹 村 牧 男

 東洋大学では、高校生を中心に、若者のみずみずしい感性を歌い上げた短歌を募集し、百首の入選歌を選ぶという、「現代学生百人一首」の事業を行っています。毎年、朝日新聞の「天声人語」などに紹介されますので、ご存知の方、あるいはファンの方も多いかと思います。この事業は、東洋大学創立一〇〇周年記念事業として始まり、今年度は第二七回でした。今年度の応募は、五六二〇二首に上り、その中から主として国文学専攻の大学院生による予備選考で約二〇〇〇首が選ばれ、さらに選考委員会により一〇〇首が入選として選ばれました。
  今年度の「現代学生百人一首」の特徴としては、「今でしょ」「じぇじぇじぇ」「倍返し」などの流行語の使用、スマホ、アプリ、SNSなどのコミュニケーションツールへの疑問視、東京オリンピックとおもてなしへの期待、東日本大震災への関心の希薄化への嘆き、異常気象の中での希望の追求、アベノミクス、楽天優勝、富士山の世界遺産登録などの明るいニュースへの共感、などがありました。
  多くの優れた歌を応募して下さった高校等五校に学校特別賞が授与されるのですが、その一つに山形県鶴岡近郊の加茂水産高等学校が選ばれ、私は入選者および学校特別賞の賞状等授与のため訪問させていただきました。同学校からの応募のうち、予備選考で五首入り、さらに入選には三首選ばれて、特に今年度、非常に高い水準を示しました。百首の中に入選した同校の生徒の短歌を、紹介します。

 楽天が九年目にして初優勝チームでつなぐ東北魂

 極寒の海へと向かう水納め足すくむ我に波の呼ぶ声

 売りたくて大きな声で客呼んでやっと売れたよ手作り缶詰

 水納めは、水開き(海開き)の反対、十一月に行われる同校の行事だそうです。

 なお、同じ山形県の高校から入選した歌は、他に二首あり、次のようでした。

 仕送りで何がいるのか兄へ聞く足りないものは家族だと言う

 母の分生きると決めたあの日から自慢の娘になれていますか

 短歌という定型詩の日本の伝統は、高校の先生方のご指導のもとで、若者にしっかり承け継がれています。今年度の「現代学生百人一首」の百首のすべては、東洋大学のホームページで味わうことができますので、ぜひアクセスしてみてください。


東洋大学HP
http://www.toyo.ac.jp