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新しい堺の歴史に出会う
「さかい利晶の杜」オープン

 3月20日、堺の歴史と文化を多様な角度から楽しめる『さかい利晶の杜』がオープンした。
 堺が生んだ2人の偉人、茶聖・千利休、歌人・与謝野晶子をテーマにした文化施設をメインに、茶の湯体験、観光案内展示など堺の魅力が満載。
 「千利休茶の湯館」は堺のまちを描いた「住吉祭礼図屏風」デジタルタッチパネル、茶懐石の再現、国宝茶室「待庵」を復元した「さかい待庵」など千利休と茶の湯の歴史を体感できる。
 「与謝野晶子記念館」は晶子が生まれ育った駿河屋の店先の再現、自筆資料や着物など愛用品の展示、全国を旅した晶子ゆかりの地を紹介するタッチパネルなど、与謝野晶子の生涯や表現した世界を紹介する。
 茶の湯体験施設では椅子席で抹茶と菓子を楽しめる「南海庵」と「西江軒」、「風露軒」、「得知軒」という畳敷きの茶室では抹茶のいただき方など本格的な茶の湯の作法を体験したり、茶を点てたりできる。
 観光案内展示室では堺の観光情報や見どころをタッチパネルでわかりやすく紹介、江戸時代の「泉州堺絵図」の陶版フロアマップ、昭和初期の宿院界隈の立体模型などで堺の歴史や魅力を伝える。千利休や与謝野晶子にちなんだ土産物の販売も。
 千利休茶の湯館名誉館長には、利休居士第十五代・裏千家前家元 千玄室大宗匠が、与謝野晶子記念館名誉館長には、晶子の孫にあたる元財務大臣 与謝野馨氏が就任した。
 オープン当日は、開設記念式典、茶室披きや千利休献茶式などが行われ、開館初日に、約五千人の来場者が利休や茶の湯、晶子の表現世界などを体感した。

さかい利晶の杜
堺区宿院町西2―1―1(堺駅から徒歩10分)
入場料 千利休茶の湯館・与謝野晶子記念館
300円
茶室お点前体験(予約制)・立礼呈茶500円
観光案内展示室 無料
休館日
第3火曜、年末年始
有料駐車場あり
電話 072―260―4386
http://www.sakai-rishonomori.com

堺の文化・観光ネットワークの拠点として大きな期待を集める「さかい利晶の杜」千玄室大宗匠らによりテープカットが行われた
堺の文化・観光ネットワークの拠点として大きな期待を集める「さかい利晶の杜」
千玄室大宗匠らによりテープカットが行われた

“さかい利晶の杜”
堺 町並み スケッチ(182)
野 村 亜紀子 

さかい利晶の杜
野 村 亜紀子

 旧市立堺病院跡地に「さかい利晶の杜」がオープンした。千利休と与謝野晶子を拝した名称と共に、二人の人物像と、堺の歴史文化を紹介する。施設は、茶の湯館・茶の湯体験・与謝野晶子記念館・観光案内展示室が有り、敷地内には、スターバックスと梅の花の飲食店と広い駐車場が設っている。新しい観光スポットとなるでしょう。
 オープン前にスケッチをしていたが、開店していたコーヒー店は賑っていた。
 跡地の利用については、多くの案が有りその中で、堺美術協会等が美術館を強く望んでいたが叶えられなかった。
 今、美術団体は絵画の多様化と、画家の高齢化等で会員の減少により苦境に立たされている。だから展示会場が必要ないというわけではなく、人々が音楽・美術伝統・演劇が生きる幸せの糧となる公共の場が欲しいと願うのです。でもこれらの事は、よほど長い目で見ないと無駄な出費でしかない。社会が余りに早い発展進歩に、後年、歴史的建造物や、伝統と言えるものが残るのでしょうか。春が来た!と文化面も感じられる日が来る事を願っています。


映像で見る
昭和史入門

 記録映像「巨大組織陸軍*\走のメカニズム」を見ながら昭和史を学び、考え、語り合う。戦争体験者から戦時中の話を聞きながら歴史を学ぶ。4月11日、11時から堺市立東文化会館で。直接会場へ。問い合わせは昭和の庶民史を語る会(072―236―3357)まで。
 「幻燈で見る懐かしい大阪の明治・大正・昭和の建築3」 が4月18日、11時から堺市立東図書館で開催。「震災20周年を忘れない為に、当時の現場での建築を見ながら、避けられない大震災について考えてみたいと思います」と講師・明治建築研究会代表柴田正己氏は語る。

ガシ横マーケットプラス

 店舗の軒先や空き店舗を活用したイベント。手作りオリジナル商品、雑貨の販売など。
 4月19日(日)10時〜15時30分(毎月第3日曜日開催)、堺東商店街で。主催は堺銀座南商店街、堺東駅前商店街、堺東商店街(後援 堺市、協力 そや堺ええ街つくり隊)。

日本初
ベトナム・チャンパ
 陶磁四耳壺破片
堺市博物館

 堺市博物館ではベトナム・チャンパ(原ビンディン省付近)で作られた四耳壺の破片を堺区熊野町東での発掘調査の中で確認、国内の発掘調査では初めてとなる。日本から朱印船がチャンパへ渡航は文献資料のみで知られていたがこれによりチャンパとの貿易・交流が具体的に裏付けられた。17片に割れているが口縁部から底部まで残り、全体像の復元も可能だという。この四耳壺の破片は開催中の企画展「タイの古陶磁V―アユタヤ王朝とミャンマーの優品―」の中で展示されている。4月19日まで。

堺市博物館
月曜休館(祝・休日は開館)
9時30分〜17時15分
(入館は16時30分まで)
堺区百舌鳥夕雲町2丁
大仙公園内
電話 072―245―6201

堺とベトナムとの貿易関係を証明する貴重な資料となる「陶磁四耳壺」の破片
堺とベトナムとの貿易関係を証明する貴重な資料となる「陶磁四耳壺」の破片

第百七回
無縁物故者慰霊祭

 3月21日、「第百七回無縁物故者慰霊祭」がホテルサンルート堺(堺区)でしめやかに営まれた。
 同慰霊祭は生前、社会のため尽力されたにもかかわらず、看取られる縁者や知人もおられず、この世を去られた方々の霊を慰めようと、叶V生社代表取締役、加藤均氏が祭主となり、毎年春分の日、秋分の日に執り行われており、今回で百七回目を数え、祀られる御霊は三百三十三柱にのぼっている。
 当日は、八田荘老人ホーム、福生会老人ホームの方々をはじめ、行政関係者、一般参列者など約300人が本光寺、風間寺、妙法寺、法輪寺、本源院の住職、副住職による読経のもと献花を行い、御霊の冥福を祈っていた。
 加藤均祭主は「私の生ある限り、この慰霊祭を執り行い続けることをお誓い申し上げます。そして、子どもから若者、長寿の皆様が安心して健康で天寿をまっとうできるような社会を築くため、生涯努力してまいります。どうぞ安らかにお眠りください」と追悼の言葉を捧げた。
祭文を読み上げ御霊の冥福を祈る加藤均祭主
祭文を読み上げ御霊の冥福を祈る加藤均祭主