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堺の顔
マラソンランキング
全日本第1位は堺人

市民マラソンランナー 松平 進 氏

堺の市民ランナーレジェンド、松平進氏(加古川マラソン・昨年12月)
堺の市民ランナーレジェンド、松平進氏(加古川マラソン・昨年12月)

 50歳を機にマラソンを始めた、堺市南区在住、深井駅前で不動産業を営む松平進氏(63歳)。大阪・京都・神戸・加古川など関西で主要なマラソン大会で軒並み優勝という輝かしい経歴を持つ。フルマラソン51回・年代1位 13回(内、サブスリー34回)、ハーフ23回・年代1位 5回、10㎞ロード20回・年代1位 6回、トラック23回・年代1位 18回。昨年2月に開催された京都マラソンでは堂々の2時間52分28秒という記録を出し「第15回全日本マラソンランキング」男子62歳の部の第1位(2815人中)となった。
 「トラック競技は大阪マスターズに入会した60才から始めました。優勝回数(42回)のほとんどは還暦になってからのものです。初フルの淀川マラソン(50才時)では、何の根拠も無く、4時間は切れるだろうと考えて挑みましたが、後半では膝や股関節が痛くて、歩いたり走ったりで、24分もオーバーしてしまいました。レース後の1週間程は、筋肉痛とかで歩くのも大変だったことを覚えていますが、ゴールした時の達成感のほうが勝っていたので、そこからどっぷりと嵌まりました」と振り返る。
 「記録がのびることも励みになるが、ライバルや仲間ができることが大きな楽しみです」とマラソンの魅力も語る。
 健康のため45歳から金剛山登山も続け1470回の登頂を迎えた。健康の秘訣を尋ねると「ウォーキングでもマラソンでも、無理なく楽しみながら汗を流すことが一番。ご飯もお酒もおいしくいただくこと」。
 今月行われる紀州口熊野マラソン、京都マラソン(シード選手)にも出場。 来年、4年に一度開催される「ワールドマスターズゲームズ2021関西」の出場と大阪の最速記録更新にも挑戦する。「93歳のマラソン完走ランナーもおられます。生涯現役。これからも元気に楽しく走り続けます」堺の市民ランナーのレジェンド・松平氏の青春は終わらない。

常に先頭を走る 優しい笑顔の松平氏
常に先頭を走る 優しい笑顔の松平氏

呉地方総監訪問

呉地方総監 酒井良海将(右)と加藤均会長
呉地方総監 酒井良海将(右)と加藤均会長

 呉地方総監 酒井良 海将が1月16日堺を訪れ、護衛艦いせ・潜水艦救難艦ちはや後援会の加藤均会長を表敬訪問した。呉地方総監 海将としての就任挨拶を行うとともに、昨今の国防情勢などについて会談を行った。
 会談の中で、「新艦の建造や寄港要請が増える中、海上自衛隊の人員は減少を続けている。後方支援部隊として自衛隊を支える我々としては、10年先を見据えた人材育成及びその確保が喫緊の課題となっている」と語り、加藤氏と今後更なる連携強化を行う方針を確認した。
 酒井氏はこれまで、大湊地方総監 海将、海上幕僚監部防衛部長などを歴任、昨年12月20日付けで呉地方総監に就任した。


第322回経営懇話会
元総合幕僚長
河野克俊氏が講演

 2月12日、堺経営者協会(西村隆会長)主催の第322回経営懇話会が開催される。
 「今後の我が国の安全保障と自衛隊」をテーマに、講師は元統合幕僚長である河野克俊氏が務める。同氏はこれまで、第5代統合幕僚長を始め、第31代海上幕僚長、第33代護衛艦隊司令官などを歴任。統合幕僚長としては最長の在職期間を経験されており、退官後は日本テレビ客員解説委員などを務めている。
日時 2月12日㈬15時~16時30分
場所 ホテル・アゴーラ リージェンシー堺 4階ロイヤルホール
※申込は株式会社加藤均総合事務所まで、メール又はFAXで。
mail:shinseisya@kato-group.co.jp
FAX・072―223―0001


社説

中東派遣の意義はプレゼンス

元海上自衛隊呉地方総監
金沢工業大学虎ノ門大学院 教授

伊 藤 俊 幸

 一月十日、中東情勢の緊張が高まる中、河野防衛大臣は護衛艦一隻と哨戒機二機の中東派遣を命令しました。年明け早々から起きた米国とイランによる一連の武力行使に世間が騒然とする中、ぶれることなく中東派遣を決断した日本政府に敬意を表します。
 今回の派遣は防衛省設置法の「調査・研究」に基づいて行われるため、情報収集はできますが、商船の護衛はできません。何者かに襲撃されるなど不測の事態がおきた場合には、防衛大臣から「海上警備行動」を下令してもらうことになります。そうなれば、LRADという拡声器を使うなどの警告や針路妨害ができ、「武力の行使」に至らない警告射撃などの「武器の使用」も認められます。LRADは音響兵器ともいわれ、その指向性と大出力により、海賊やテロリストを撃退できます。実際アデン湾での海賊対処でも威力を発揮しました。
 一方、商船の保護は船籍を登録している国が行う原則があるため、日本人が乗船し日本の会社が運航している「便宜置籍船」には、「武器の使用」を伴う護衛はできません。できることは、「沿岸国」や「船籍を登録している国」への通報とLRADで警告することまでになります。ですから、あらゆる事態を想定した訓練を積み、指揮官以下の能力を高めた上で派遣するのです。
 アメリカとイランが「やられたらやりかえす」という姿勢でいる限り、中東の不安定さは続きます。そういった海域で、日本の経済活動を支える石油タンカーは常時運航しているのです。この民間商船の安全確保こそ国家の役割です。
 昨年末の閣議決定した際は、「どうせ何も起こらない」といった安易な意見が政府周辺から漏れ聞こえていました。日本船主協会からの護衛の依頼もないのに、米国とイラン双方の顔を立てるため、安全な海域にわざわざ自衛隊を派遣するという政治的意図が透けて見えました。
 しかし軍事行動がとられたからこそ自衛隊を派遣する真の意義が生まれたのです。「頼りにされている。」この気持ちだけで自衛官の士気は上がります。「何かあればすぐに駆け付けてくれる。」日本関連船舶に「安心感を与える」ため、近くに「プレゼンス」する。これが派遣の本質的な意義なのです。