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ベトナムに新たな桜の新名所 

1.5キロの並木道など計画スタート

「日本の桜がベトナムを彩る」
クアンガイ省に設置される桜並木
「日本の桜がベトナムを彩る」 クアンガイ省に設置される桜並木

 特定非営利活動法人日越堺友好協会の加藤均理事長は、ベトナムのビンディン省ヴィンタン県ヴィンソン群に桜の新名所を開発中であることを発表した。
 同協会はこれまで、日本の伝統・文化をベトナムにも発信したいとの想いから様々な交流事業を行ってきた。公益財団法人日本花の会・花と緑の研究所 研究員・樹木医 西山正大氏も加藤均理事長とともにベトナムを訪れ、桜開花にむけた調査研究も行った。昨年末には、交流事業の一環として、日本の桜200本の苗木をベトナムに植え、見事に開花している。
 今回計画されている観光区画開発の中では、併設するリゾート施設や公園を整備する中、これらに沿った1.5キロに渡る桜の並木道が目玉となっている。植栽される品種は、「大島桜」や「大寒桜」などであり、いずれもベトナムでの気候及び土壌適正などが認められている。また、並木道には、桜の下に紫陽花を植えるなど、桜のシーズン以外にも観賞を楽しむことができるようになっている。
 加藤均理事長は「日本とベトナムでは気候や土壌が違うことから、桜の品種選定などには困難が多くありましたが、ようやく植栽事業としての形になってきました。今後は、同所の広場や公園にも桜を植えることで、花見や『桜まつり(仮称)』などを皆様が楽しめるように開発を拡大する予定となっております」と述べ、交流事業拡大への更なる意欲を見せた。


堺を拠点とする3芸術団体が手を取り合い、
フェニーチェ堺からお贈りする舞台
いま、堺が共鳴する!

Teatro Trinitario 2020
(テアトロ トリニタリオ)
〝バレエ〟×〝オペラ〟×〝オーケストラ〟

日時9月22日(火・祝)開演1400
会場フェニーチェ堺 大ホール
料金S席5,000円
 A席4,000円
 B席3,000円
 C席2,000円
 D席1,000円
 
[指揮]柴田真郁 [特別ゲスト]中村祥子(Kバレエカンパニー)、ヴィスラフ・デュデック
[出演]堺シティオペラ、野間バレエ団 [演奏]大阪交響楽団
[合唱]大阪響コーラス・堺シティオペラ記念合唱団
[司会・ナレーション]堀江政生(朝日放送テレビアナウンサー)
[演目]「ボレロ・フェニーチェ」(ラヴェルボレロ)、ビゼー歌劇「カルメン」より抜粋、他
 
 Teatro Trinitario 2020(テアトロ トリニタリオ)とは、イタリア語で「三者が一体となる劇場」の意味。
 堺に初めて誕生した本格劇場フェニーチェ堺を舞台に、堺市に拠点を置く「堺シティオペラ」「野間バレエ団」「大阪交響楽団」がそれぞれの個性を発揮し、ドラマティックな物語世界を出現させる。
 バレリーナの華麗な舞いに目を奪われ、オペラ歌手の情熱的な歌声に胸を震わせ、響き渡る演奏の迫力に歓喜する。ひとつの街にバレエ、オペラ、オーケストラの3芸術団体が並び立つ日本有数の文化都市・堺ならではの、贅沢なひとときが楽しめる。
 
問い合わせ先
フェニーチェ堺 072―223―1000

フェニーチェ堺で行われた制作発表・記者会見の様子
フェニーチェ堺で行われた制作発表・記者会見の様子

社説

弾道ミサイル防衛による抑止力

元海上自衛隊呉地方総監
金沢工業大学虎ノ門大学院 教授

伊 藤 俊 幸

 政府は地上配備型迎撃システム「イージスアショア」の配備計画を事実上断念し代替策の検討に入りましたが、「弾道ミサイル防衛」の本来の意味をご存知でしょうか。
 「弾道ミサイル防衛」で排除するのは、「弾頭に核兵器を搭載」した「弾道ミサイル」です。これは国家の運命を決める兵器ですから「戦略兵器」といいます。米露中はこれを保有し、結果的に核戦争を抑止してきたのです。
 ところが冷戦後、北朝鮮のような「ならず者国家」や「テロリスト」などもこの「弾道ミサイル」が持てるようになってしまいました。「抑止だけではなく撃ち落とす」として、米国は多額の軍事予算を投入し技術開発に入りました。
 弾道ミサイル防衛は、通常のミサイルに対する防空とは違います。例えば「戦闘機が発射するミサイル」は、マッハ2前後で飛行しますから、直前で爆発させる「破片効果」で撃退できます。ところが「弾道ミサイル」は、マッハ5以上の超高速なため、破片が発生する前にすり抜けてしまいます。そこで米国は核弾頭に「直接衝突」させる高度な技術の実用化に成功したのです。
 このように「弾道ミサイル防衛」とは、「戦略兵器を撃退する戦略兵器」であり、「高価な弾道ミサイルを発射しても、撃ち落とされるからやめておこう」と、相手の攻撃意図をくじく「拒否的抑止力」でもあるのです。
 ですから、有事の「防御」に関する「戦術的」議論は自衛隊と米軍との話し合いにまかせ、政治家や学者は、平時における「抑止力」についての「戦略的」議論をすべきなのです。
 例えば「敵基地攻撃」も「弾道ミサイル防衛」の「抑止力」の範疇にあると私は思っています。「弾道ミサイル発射の兆候を察知したら攻撃する」といいますが、発射前にターゲティングできるレベルの情報は入手できません。ただ一旦発射されたら、場所はピンポイントで特定できますから、航空自衛隊が導入する中距離ミサイルで「発射基地を破壊する」とすればよいのです。
 「日本に弾道ミサイルを発射すると、撃ち落とされる上、基地も破壊される。」日本も今の「拒否的抑止力」に、「少しの懲罰的抑止力」を持てばよいのです。