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18歳、療養中の夏の日の出来事だった。ラジオから流れたイタリア人テノール歌手の「輝かしい高音」は一瞬にして私を声の虜にした。「これだ!これしかない!これなら出来る!」と、ピアノを弾いたことのない私が一気にオペラ歌手へと夢を膨らませた瞬間だった。学業から落ちこぼれてラジオ作りに熱中した小中学校時代、目標を見失い「ゼロからスタート出来る何か」を探し求めた高校時代、決まった就職先から夜間大学へと夢を繋いだが、健康診断で肺浸潤と落伍した。 |
野 村 亜紀子 |
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昭和30年頃、数多く見かけた建物です。門扉の奥に玄関があり、軒の低い中二階、身を寄せ合って生きる場所。当時は二階以上の建物がほとんど無く、空の大きな景色でした。私にとって70年前、夏は今より涼しかったはずですが、扇風機と団扇だけの涼は、暑い印象が強く残っています。現代は温暖化で40度近い温度となっていますが、クーラーのおかげで気持良く過せます。自然に逆らい、贅沢な生活環境を作っている事がいいのかと思いながらも、便利な贅沢を享受しています。戦後70年、想像もしなかった生活の進歩。さらに何十年、何百年先はどんな生活になっているのでしょうか、知りたい気持ちと、知るのが恐いと思う気持ちが交差します。 |
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今年で8回目の開催となる「風鈴まつり」が鈴の宮 蜂田神社で行われる。境内には地元住民や地域の企業、小学校、保育園の子どもたちにより吊された約1300の風鈴が涼しい音色を奏でる。=写真= 毎年、奈良、兵庫、和歌山、京都など市外からも多くの見学者が訪れ写真を撮りながら、夏の風情を楽しむ。 八田荘校区では、堺市の地域まちづくり支援事業を活用、地域の歴史や文化に触れることで、地域への愛着や誇りを持つことを目的に同校区歴史文化発見事業を実施しており、風鈴まつりはその一つ。 磯﨑伸子宮司は「皆様に風鈴の涼しい音色と境内の爽やかな風を楽しんでいただければ」と語る。 別名「鈴の宮」と呼ばれる蜂田神社。毎年の節分祭に占土鈴12個を作り神前に供え、鈴音の良し悪しでその年の吉凶を占ったという古事に由来する。 「風鈴まつり」 7月1日~8月31日 鈴の宮 蜂田神社 堺市中区八田寺町524 (深井駅より南海バス鈴の宮団地東口停徒歩5分) TEL・FAX 072―271―1355 |
本連載第15回において、近代日本陸海軍ならぬ皇軍の最たる起源は神武東征、すなわち『日本書紀』の伝える初代神武天皇による建国の大業の端緒に求められることを述べた。そして神武天皇(以下、即位前も本表記で統一)の軍は、昨今の我が国でもようやく国防の重要な一部として認識されるようになった、食料安全保障の担い手でもあったのである。 |