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4月6日、日越外交関係樹立50周年を記念したコンサート「時を越え 友好の和を未来へ」がフェニーチェ堺 大ホール(堺区)で開催された。(主催 在大阪ベトナム社会主義共和国総領事館、共催 認定特定非営利活動法人 日越堺友好協会、特定非営利活動法人 堺国際交流協会)
ベトナム国立交響楽団の首席指揮者で音楽監督も務める指揮者 本名徹次氏(ベトナム国立交響楽団)、ヴァイオリニスト ブイ・コン・ズイ氏(ベトナム国立音楽アカデミーのコンサート活動部門副学長、ベトナムコネクション音楽祭事務局長)、ベトナム国立交響楽団の楽団員4名がベトナムから参加、日本からは堺を拠点に活動する大阪交響楽団が出演、ベトナム国歌「進軍歌 ティエン・クアン・カ」、君が代、ベートーヴェン ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品61、ベートーヴェン 交響曲第5番 「運命」作品67を演奏、会場を埋め尽くした来場者は大きな拍手が贈り、それぞれ両国の友情の深まりを祝っていた。
2011年の設立以来、ベトナムとの経済、文化交流を進めながら、企業間のビジネスマッチングなど幅広い友好事業を進める認定特定非営利活動法人 日越堺友好協会(加藤浩輔理事長)の令和5年度総会が、ベトナム総領事館(堺区)で行われた。=写真=
加藤浩輔理事長は「加藤均前理事長の意志を引き継ぎ、より協会の発展に向けて皆様とともに頑張っていきたい」と挨拶。
続いて、新理事に就任した加藤敬大氏が「皆様にご享受いただきながら力いっぱい務めてまいります」と述べた。
引き続き在大阪ベトナム総領事館 ゴー・チン・ハー総領事を講師に迎えた特別講演が行われた。
ハー総領事は日本とベトナムの関係、政治・経済・観光など様々な分野に関する現状を解説。「日越外交関係樹立50周年を機に今後両国の関係がますます強まることが期待される」と語った。
同協会はビンディン省におけるマグロ漁業支援、日本の文化を通じて友好を深める事を目的とした1000本の贈呈が完了したさくらの苗木、錦鯉の寄贈・飼育支援事業など、多くの事業を精力的に進めており、ベトナム国家からも高い評価を得ている。
WBCにおける侍ジャパンの優勝からひと月以上が過ぎました。栗山監督の「選手を信頼し任せるリーダーシップ」が話題になりましたが、これは二十年以上前から米国で採用されている「サーバント・リーダーシップ」といってよいでしょう。サーバントとは、「執事」のことです。
筆者が在米防衛駐在官として赴任していた二〇〇一年は、二つの大事件がありました。「九・一一米国同時多発テロ」と「大企業エンロンの粉飾決算による破綻」です。特に後者は、その後ワールドコムの粉飾決算も続き、経済界に激震が走りました。
「ビジネスリーダーはビジネススキル以上に、高い倫理観や精神性が必要である」とされ、この「サーバント・リーダーシップ」が注目されたのです。そして今や米軍や航空自衛隊も、このリーダーシップを採用しているのです。
軍事的なリーダーシップの本質は、「集団の士気を高め、その活動を効果的に統制する」ことです。軍隊というと「上意下達」をイメージされると思いますが、それはリーダーシップではありません。なぜなら「絶対的な服従と被服従」は法的義務ですから、マネジメントだけでも集団をコントロールできるからです。これは企業も同じでしょう。
コッターの定義によれば、マネジメントとは「規則(ルール、制度)をメンバーの行動に適用することで組織集団の動きをコントロールする方法論」であり、リーダーシップは「メンバーが自発的にリーダーに従おうとする気持ちを原動力として組織集団を動かしていく方法論」です。マネジメントは「指揮」、リーダーシップは「統率」というとわかりやすいでしょう。
軍隊がリーダーシップを重視するのは、戦場では非人道的光景に直面するからです。兵士に怯え・迷い・間違いが生まれます。究極の状態においては、階級だけの指揮関係では部下はついてきません。戦場では、後ろから射殺された士官のご遺体が多数あるのです。
したがって、軍事的リーダーシップに求められるリーダーの人格的資質とは「誠実・真勇・忘我」なのです。「言行不一致」「優柔不断」「私利私欲」な上司は、本人はごまかしているつもりでも部下からはよく見えるものです。
二〇一九年、米軍はこれに「謙虚」を付け加えました。「サーバント・リーダーシップ」を採用したのです。