《次へ》
堺市では、万博が大阪で開催されるまたとない機会を捉え、次の時代を担う子どもたちが国際社会を身近に感じ、多様な価値観や広い視野を養うため、市内の小・中学校を対象に、外国公館関係者を講師に招いて万博特別授業を実施している。
昨年12月3日に堺市立八下西小学校(堺市東区)で行った特別授業では、中華人民共和国駐大阪総領事館の熊 婧(ユウ・セイ)領事から、中国の様子や文化をはじめ、幼稚園・小学校で学ぶ内容といった身近な事柄のほか、万博会場に出展する中国パビリオンについても動画を交えて紹介があった。
授業を受けた6年生からは、「このように他の国のことを学ぶ機会は多くないので、この授業をしっかりと頭に入れて異なった文化を学び体験する大切さを意識していきたい」、「今後社会に出てたくさんの国の人と出会い話したり、生活したりするときに、理解する必要があることなので、学んだことを忘れずに覚えておきたい」といった感想があった。
堺市では万博開催を契機として子どもたちの将来の可能性を広げる取組を進めており、外国公館による特別授業は令和7年度も継続して実施する予定。
新年あけましておめでとうございます。
昨年末は、現職大統領が非常戒厳を発令し失敗に終わる衝撃的な事件が韓国で起きました。その後弾劾訴追決議が可決され、大統領は職務停止に追い込まれました。
しかし、この「暴力により言論を封じる」出来事は、韓国国内の政治的分断を深め、かろうじて民主主義は維持されましたが、経済も含め深刻な痛手を韓国は受けることになりました。
尹大統領は、「全斗煥元大統領は、クーデターと5・18(光州事件)を除けば、政治が上手だった」と大統領選挙中に発言し、それはそれで批判を受けましたが、少なくとも非常戒厳を否定していたのに、どこで心変わりをしたのか疑問を禁じえません。
また昨年は世界中で選挙が行われた年でしたが、ここでも民主主義が危うくなる結果になりました。
米国では、トランプ前大統領が再選を果たし、今年は、「アメリカ第一主義」が復活することになります。また、欧州では移民問題やエネルギー危機への対応を背景に、極右勢力が台頭しました。「選挙結果を受け入れない」と公言するトランプ氏や移民排斥のため暴力を容認する政党など、民主主義の危機を感じざるを得ない結果となったのです。
中国は、その共産党独裁体制をさらに強化し、台湾への軍事的圧力を強化しています。鄧小平の「経済」という判断基準を「安全」に変更した習近平は、中国経済の停滞に見向きもせず、中国国民は厳しい冬を迎えています。
そんな中、日本では自民党が過半数をわり、補正予算案への賛成と引き換えに、国民民主党による所得税の非課税枠「年収一〇三万円の壁」の見直しを与党は受け入れました。読者の皆さんも、あらためて選挙における一票の重みを実感されたことと思います。まだ日本には民主主義が機能しているといえましょう。
チャーチルの有名な言葉「民主主義は最悪の統治形態だ。ただし、これまで試みられてきた他のすべてよりはましである」といわれるように、完全ではないものの、他の体制に比べて柔軟性と正当性を持つ点が評価されてきました。
今年は、「努力を重ね、物事を安定させていく」という意味をもつ干支「乙巳(きのとみ)」の年です。ぜひ経済界がリーダーシップを発揮することで、民主主義を守り、次世代の成長を支える持続可能な基盤を築く年にしたいものです。
―――――――――――
お詫びと訂正
先月号社説「トランプ大統領の再選」の中で、以下の間違いがありました。
41行目「関節的」正しくは「間接的」、75行目「与えこと」正しくは「与えること」
お詫びして訂正いたします。