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現役100歳をめざして

世界をかける 堺のオペラ歌手 ⑵
五年ぶりに訪れたブラジル公演 ―2―

田 中 公 道

ブラジルで「オペラコンサート」に出演ブラジルで「オペラコンサート」に出演

(前号からの続き)今回5年ぶりとなるブラジル人歌手と共演の「オペラコンサート」では、難易度の高いオペラアリアをプログラムに組んで87歳となった現在も「健在である証」をと、だがイヴェント主催者の4団体からは私の声や体調と無関係なスケジュール・オファーだった。私は自分のペースに合わせて選別をすれば良かったが5年ぶりに訪れて多分今回が最後となるであろうこのブラジル公演で選別をする余裕はなかった。5年ぶりとあって声が不調でも歌わねば恰好がつかなかったオペラコンサートの公開リハーサルは、更なる声のダメージとなった。 
  オペラコンサートの日、オペラ 「トゥーランドット」 〝誰も寝てはならぬ!〟 オペラ 「トスカ」〝妙なる調和〟、オペラ「運命の力」〝天使のようなレオノーラ〟、オペラ「アンドレア・シェニエ」から、〝ある日青空を眺めて〟など、自分で組んだこのプログラムが果たして歌い切れるのか、針のむしろを踏む思いでスタートしたコンサートを何とか歌い終えたとき、ブラジル人聴衆からは大きな喝采が起こった。だが私自身、声の疲れから思い描いた世界とはならなかった不本意な結果と悔いが残った。 
  この体験から、それ以後のブラジル人ピアニストと共演するカルロス・ゴメスのオペラコンサートや野外コンサート、ヴェルディの「オテロ」オテロの登場からオテロの死までの4曲のアリアと、アンコールの 「カタリ」 などは、ピアニストに私のYou Tube動画で伴奏合わせをして頂き、私は声の休養を取って〝ぶっつけ本番〟で臨んだコンサートが大成功だった。
  海外でのリサイタルやコンサートでは何でもありだし、リサイタルのプログラム曲のトップは、常に 「これぞ」という名曲、大曲から始めないと聴衆とのフィーリングが合わない国が多く、また音楽会では「声の快調さと高音の輝き」が成功を導くカギだった。
  今回、旅の目標であった10回のコンサートを無事に消化し、訪伯23回目の今回を最後として歌って来たが、2025年も訪伯を強く要望されて10月末に帰国した。
  海外での公演数は1,095回となった。
  今春88歳を迎え、オペラ歌手デビュー65周年を迎えた私に、米寿のリサイタルやコンサートの出演依頼が今も沢山あり、既に来年も数え卒寿(90歳)のリサイタルが決まっており、喜びに満ちているが、乗り越えなければならない老化の問題や声と高音の輝きなど、進化が伴わなければ前に進めない現実に挑戦している。


春季特別展
「べらぼうに面白い!江戸絵画」
小林美術館

狩野宗信「職人尽図屏風」狩野宗信「職人尽図屏風」

 日本が最も華やかな文化を成熟させた時代の一つは、江戸時代でしょう。約260年続いた太平の世の中で、鎖国政策が異文化の流入を抑え、日本らしい魅力的な芸術表現が次々と生まれた。同展では、洒脱で生命力にあふれた江戸絵画の逸品が紹介される。円山応挙や狩野派など、江戸時代を代表する奇才たちの競演をご堪能ください。3月26日、4月6・12・17・20日(各日14時~)には学芸員による特別展の展示解説も予定されている。
期間 3月14日㈮~6月8日㈰
3月26日、4月6・12・17・20日(各日14時~)には学芸員による特別展の展示解説も予定されている。(5月、6月も開催予定、日程は変更となる場合あり)
小林美術館
高石市羽衣2丁目2番30号(南海本線羽衣駅・JR東羽衣駅より北西へ徒歩約4分、阪堺電車浜寺駅前駅より南西へ徒歩約8分、浜寺郵便局横)
開館 10時~17時(入館受付は16時30分まで)
月曜休館(祝日の場合は翌平日)
入館料 大人1000円、高校・大学生600円、小・中学生300円
※10名以上の団体は2割引、着物で来館の方は1割引
TEL
072―262―2600
https://www.kobayashi-bijutsu.com
狩野宗信「職人尽図屏風」



(一回笑うと一日若くなる)」(65)
小野田 隆
認知症ケア指導管理士、ケアマネ

◆老化を考える

 人間は44才と60才が老化の壁である!と米国のスタンフォード大学が2024年8月に研究発表しました。
 日本の厄年42才、還暦60才に当たる年ですね。44才と60才が体細胞と臓器の大きな変換年齢となるとの研究結果です。個人差は生活習慣で大きく変わります。食事、運動、病気などが大切です。今回は、少しでも老化を遅らせるにはどうしたらいいのか、老化防止対策について考えてみます。
①食事と運動―規則正しい食生活で、年齢に会った生活習慣を試みる。体の糖化と酸化を抑える食事がお勧めです。適度な運動を心がける、有酸素運動の散歩がいい。一日に4千歩が理想です。お尻の穴を絞めて、70㎝ほどで歩幅を長くして歩くのが健歩にいいです。
②臓器ー健康寿命を延ばすためにも野菜を中心に、季節の物、安全食品を内臓をいたわりながら食べましょう。うがいと歯磨きの口腔ケアも忘れずに。    
③姿勢と呼吸―長時間のスマホ使用で猫背が増えているので注意が必要です。猫背は生活習慣からきます。姿勢が良くないのは筋力低下等が原因です。椅子に座りながら出来る姿勢の改善方法を紹介します。
・坐ったままで首を後ろにたおしていく。目線が天井を向いたら20秒間天井を見る。三回をセットに。
・両手を肩の上でグルグルと前に5回まわす。肩甲骨を広げて動かす胸広げストレッチです。後方に5回まわす。
・壁に背中をくっつけて、直線になるように立ち、頭の後ろ、背中、お尻、両足のかかとを10秒間つける。一日に5回以上が望ましい。自分に合った運動・正しい食事で元気で快適な日々を送りましょう。
  一回笑えば 一日若くなる。ホホハハハ ホホハハハ イエイ!

小野田隆
岡山県瀬戸内市出身、広島大学卒の団塊世代、上地流空手2段、認知症予防体操と笑いヨガを普及中、介護施設顧問


国防と神社(82) 明治元年の国難 神戸事件と瀧善三郎

日本経済大学准教授 久野 潤

 本年2月9日、筆者は岡山市北区の七なな曲まがり神社にて瀧善三郎顕彰慰霊祭に参列した。同日は、一世一元の詔により遡って「明治」に改元された慶應4年(明治元年、1868)に発生した神戸事件の責任をとる形で、岡山藩士の瀧善三郎正信が殉難した日である。
  慶應4年1月11日、西宮の警備に向かうため西国街道を進んでいた家老日置へき帯刀たてわき率いる岡山藩兵の隊列は、神戸の三宮神社(現神戸市中央区)近くに差しかかった。その際、フランス人水兵が行列を横切ろうとし(武家諸法度に抵触)、かつ第3砲兵隊長の瀧が槍で制止するも従わなかったため、瀧の槍で軽傷を負った。当地で居留地予定地を見分していたイギリスのパークス駐日公使による通達で、列強諸国の軍兵を巻き込んだ銃撃戦に発展したが、日置の自重により死者を出さずに事態は終結した。
  アメリカ・イギリス含め列強側は、居留地保護の名目で付近を軍事占領し、兵庫港の日本船舶を拿捕しつつ、責任者の厳重処罰を求めた。瀧は列強外交官による検視のもと、古来の作法に則って切腹。その模様をイギリスの新聞『イラストレイテッド・ロンドン・ニュース』が銅版画付きで報じたため、瀧の行動は事件を収拾させたのみならず、世界的に話題となった。新渡戸稲造が明治33年に刊行した『武士道』でも紹介されたため、瀧の偉勲に多くの人が感銘を受けることとなる。三宮神社境内には、神戸市が昭和10年(1935)「史蹟 神戸事件發生地」碑を建立した。
  昭和15年、瀧の出身地の氏神である七曲神社馬場に「瀧善三郎正信君義烈碑」(題字は旧岡山藩主家当主の池田宣政侯爵)が建立された。翌年には碑前で瀧祭が斎行されたが、戦後は中絶していた。瀧の助命に奔走した五代友厚の生涯を描く映画『天外者てんがらもん』(三浦春馬主演、令和2年12月公開)製作にあたり、総指揮の廣田稔氏以下が七曲神社でプロジェクト成功を祈願したことが契機となり、令和元年(2019)より稲田真紀宮司・稲田知香子禰宜の2人で2月9日の祭典を復興。幕末に七曲神社の神官であった国学者の小こ神がみ富とみ春はるが、若き日の瀧善三郎の人格形成に影響を与えたことを偲んでのことでもあった。
  なお、本年の祭典代表参列者でもあった後藤勝徳氏率いる劇団「歴史新大陸」により、2月22・23日両日にわたり、岡山芸術創造劇場にて、舞台『ラストサムライ 瀧善三郎のBUSHIDO』が上演された。


S-Cube〈時代と共に歩む企業 (191)〉

「ミーティングツール」「マーケティングツール」
オンライン配信の新たな可能性を提案

株式会社TORIDOA 代表取締役
三戸 孝平 氏

勝木氏(左)と業務執行社員の松村氏(右)

事業内容

 新事業創出支援施設「さかい新事業創造センター(S―Cube)」(大阪メトロ御堂筋線なかもず駅前)の創業準備デスクで活動する株式会社TORIDOAは、オンラインイベント、セミナー等の各種催事の企画、運営を行っている。
主な取り組み
・オンラインイベント、セミナーの開催、配信のサポート
・リアルイベントとオンラインイベントを組み合わせたハイブリッドイベントの企画・実施支援
・ビジネスマッチングの企画・支援
・オンラインアンケート・登録フォームの作成
  「オンライン配信のサポート事業を基本に、さらなる営業的な要素を含めた情報発信を提案しています。オンライン配信を単なる「ミーティングツール」とせず、クライアントの持つ強みや商品の魅力を効果的に伝える「セールスツール」や「マーケティングツール」として、活用価値を高めたいと考えています。これらの可能性を最大限に引き出すため、活用方法や企画内容の提案までを一貫してサポートしています。 さらに、異業種の企業間での連携を促進し、単なるイベントの枠を超えた新たなビジネスチャンスを創出、企業同士の強固なネットワークづくりを通じた発展をサポートしています。」

 

S―Cube入居について

 「インキュベーションマネージャーやスタッフの皆様のサポートが大きな魅力です。漠然としたアイディアの段階から話を聞いてアドバイスを頂きました。また、他に入居されている先輩企業様や経営者様とのつながりが持てる点もプラスになっています。」


今後の展望

 「各クライアントの商品の強みや魅力を広く届け、効果的な結果を生むオンライン活用を提案することで、事業の成長の後押しと、大きなネットワークに広がる事を目標に頑張っていきたい」


会社概要

株式会社TORIDOA
  三戸 孝平
堺市北区長曽根町130―42
さかい新事業創造センター
(S―Cube)創業準備デスク
設立 2024年
資本金 100万円

インスタグラムHP
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㈱さかい新事業創造センター[S―Cube]は、新事業の創出に挑戦する起業家や中小企業を総合的に支援します。
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その他、創業段階に合わせたお部屋もありますのでご相談下さい。
(地下鉄 なかもず駅・南海電鉄 中百舌鳥駅すぐ)
問い合わせ TEL072-240-3775
https://www.s-cube.biz